アパート売却にかかる税金と計算方法を分かりやすく解説!
こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
アパート売却の際には、税金や諸費用が多く必要になります。
どのような税金や諸費用が掛かるのか、またどのくらいの費用になるのか…
計算方法も複雑で分かりにくいため、お困りの方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、アパートの売却にかかる税金とその計算方法についてもまとめて記載いたしました。
ぜひ、損ないアパート売却にお役立てください。
目次
アパートの売却時に課税される税金は4つ
アパート売却にかかる税金は、主に下記の4種類です。その他にかかる諸費用3種類を合わせると全部7種類になります。
中でも計算方法が複雑なのが「不動産譲渡所得税」です。今回は計算方法について詳しく記載していきます。
それぞれの内容について確認したい方は「見落とし注意!不動産アパートの売却にかかる税金と諸費用をすべて理解しておこう。」をご覧ください。
【不動産アパート売却の税金4つ】
① 消費税 | 売主が課税事業者の場合のみ、アパート建物部分の売却に対して課税。 |
② 不動産譲渡所得税 | 売却で不動産譲渡所得が得られた場合にのみ「譲渡所得税」が課税。 |
③ 登録免許税 | アパートを売主の名義から買主の名義に変更する移転登記の際に課税。 |
④ 印紙税 | 売買契約書などに貼付する収入印紙代 |
①消費税
アパート売却の際、消費税か課税されるのは売主が課税事業者の場合のみです。
また、アパート建物部分の売却に対して課税され、土地部分は非課税となります。
アパートの売却価格は高額の場合が多いため、消費税が課税される場合は消費税も多額になります。
ご自身が課税対象になるのかきちんと把握しておきましょう。
また、アパート売却にかかる下記諸費用にも消費税がかかります。
【不動産アパート売却に必要な諸費用3つ】
① 仲介手数料 | アパートの売却を不動産会社に依頼した場合に不動産会社へ支払う報酬 |
② 入居者の立退料 | 売却するアパートに入居者がいる場合に、立ち退いてもらうための費用 |
③ ローン返済手数料 | 売却するアパートにローンの返済残高がある場合にかかる手数料 |
※①~③それぞれ消費税がかかります。
②不動産譲渡所得税の計算方法
不動産譲渡所得税は、アパートの売却で不動産譲渡所得(売却益)が得られた場合にのみ課税されます。
不動産譲渡所得税を計算するために、まずは不動産譲渡所得を下記の計算式で算出します。
取得費・譲渡費用が多ければ多いほど譲渡所得が減り、それに課税される不動産譲渡所得税も安くなりますので、細かな費用でもできるだけ取得費・譲渡費用に計上しましょう。
【不動産譲渡所得の計算式と各項目の内容】
不動産譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)
≪売却価格≫
アパートの売却価格のことを指しますが、金銭ではなく対価として物や権利を受け取った場合などは、その物や権利の時価が売却価格(譲渡価格)とされます。
また、売却価格の他に固定資産税の清算金が含まれますので注意してください。
≪取得費≫
アパートを購入した当時の費用で、購入時の仲介手数料や印紙代・登録免許税・不動産取得税などの諸費用も含まれます。
賃貸経営していたアパート売却の場合は、これまでにかかった設備費やリフォーム費用なども取得費に含まれます。(事業所得などの必要経費に算入していない場合)
また建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。
減価償却費の計算式
建物購入費用×0.9×償却率×経過年数
アパート建物構造 | 耐用年数 | 償却率 |
鉄筋コンクリート | 47年 | 0.022% |
軽量鉄骨 | 27年 | 0.038% |
木造 | 22年 | 0.046% |
※購入時の価格がわからない場合
相続等でアパートを取得した場合、購入した当時の費用がわからない場合は、「売却価格の5%」を取得費として計算することになっています。
≪譲渡費用≫
アパートを売却する際に生じた、仲介手数料や印紙代・建物解体費など様々な諸費用のことを指します。売却のために支払った立退料なども含みます。固定資産税など、維持や管理にかかった費用は含むことはできませんので覚えておいてください。
譲渡費用に含めていいものか否かの判断が難しいものも多いので、不動産会社に確認してみましょう。
【不動産譲渡所得税の計算式】
譲渡所得が下記800万円の場合での計算例をご紹介いたします。
例:アパートの売却価格3,000万円、取得費用200万円、購入価格2,000万円の場合
売却価格3,000万円-(取得費用200万円+購入価格2,000万円)=不動産譲渡所得 800万円
譲渡所得税の税率は、そのアパートを所有していた期間によって下記のように異なります。
アパートの所有期間 | 譲渡所得税率 |
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) | 20.315% |
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) | 39.63% |
先ほど例にあげた不動産譲「渡所得が800万円の場合、不動産譲渡所得税は下記のようになります。
アパートの所有期間 | 計算式 | 譲渡所得税 |
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) | 800万円×20.315% | 1,625,200円 |
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) | 800万円×39.63% | 3,170,400円 |
③登録免許税
アパートを売却したら、所有者(売主)の名義で登記されていたアパートを買主の名義に変更する移転登記を行う必要があり、その際に課税されるのが「登録免許税」です。
アパート売却の際に生じる登記は主に、所有権移転や抵当権設定、ローン残債がある場合は抵当権抹消登記が必要になります。うち、売主が支払う可能性があるのは「所有権移転登記」「抵当権抹消登記」の費用です。
所有権移転登記費用については買主負担が一般的ですが、法的な決まりがないため売主負担になる可能性もあるので覚えておいてください。
抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、1つの不動産につき1,000円です。アパート売却の場合は、建物と土地の2つの不動産になるため、2,000円となります。
また、司法書士に登記作業と依頼する場合は、1~2万円程度の報酬支払いが発生します。
④印紙税
印紙税とは、アパート売却時の売買契約書に貼る印紙のことで、国・自治体に対して支払う税金の一つです。定められた金額の印紙を貼って消印をすることで納税したとみなされます。
印紙を貼っていなかった場合には3倍の額の過怠税が、消印されていない場合には同額の税金を納めなければいけません。
また印紙の金額は、契約書の掲載金額(ここではアパートの売買価格)によって異なります。2024年3月31日まで税額には軽減措置が適応され、下記表の通りとなります。
契約書の記載金額 | 印紙税額(軽減後) |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上50万円以下 | 200円 |
50万円超100万円以下 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超1億円以下 | 30,000円 |
1億円超5億円以下 | 60,000円 |
5億円超10億円以下 | 160,000円 |
10億円超50億円以下 | 320,000円 |
50億円超 | 480,000円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
印紙税額は、2024年3月31日までに作成される契約書の場合です。
なお、売買契約書は売主用と買主用の2通作成しますので、2通分の印紙税が必要になりますが、売主と買主で1通分ずつ負担するのが一般的です。
アパート売却の節税対策はある?
このように、アパート売却のためには多くの税金や諸費用がかかります。
しかし、その金額を少しでも安く抑えるための節税対策も存在します。
節税対策については「賃貸アパートの売却で使える節税対策5選!損のない売却を成功させよう」に詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。
経験豊富な不動産会社では、節税対策等も踏まえながら売却のご相談を承ることができますので、信頼できる不動産会社を見つけることは、売却成功の近道といえます。
アパートの売却をご検討の方は、ぜひ弊社「ジモット」へご相談ください。