ローンの残るアパートを相続!住宅ローンはどうなる?
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
アパートを相続した際に、相続するアパートにアパートローンを組んでいた場合の債務はどうなるのでしょうか?
ローンを完済前に相続する事になるケースについて解説します。
目次
アパートローンも相続対象になる
相続とは、プラスだけではなくマイナスの遺産も相続対象となります。
プラスの財産の他に借金があれば借金も同時に引き継ぐことになります。
つまりアパートローンが残っているアパートを相続する場合、そのローンも相続する必要があります。
マイナスの財産を引き継ぐ場合は、借入先の承諾が必要となるため、相続不動産に住宅ローンが残っていて相続する場合は、金融機関の承諾を得ることになります。
相続税の控除が可能
マイナスの財産を相続財産の総額から差し引くことができる仕組みを「債務控除」といいます。
アパートローンや住宅ローンはこれに含まれます。
相続税とは?
相続税とは、財産を相続した際にかかる税金のことです。
亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈(遺言により相続人以外が相続した場合)などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となります。
まず、相続税の計算方法は以下です。
相続税額 =(相続財産総額 – 基礎控除額)× 相続税率
相続税は基礎控除額を超えた分に課税されます。
相続財産の総額と、遺産および相続時精算課税制度(贈与を受けたときに、一定の税率で贈与税を計算し、贈与者が亡くなったときに相続税で精算する制度) を利用した贈与財産から、葬式費用や非課税分の財産を引いた遺産額を算出したあとで、基礎控除を引いたものに税率がかかります。
団体信用生命保険に入っている場合
団体信用生命保険とは、アパートローンの返済中に契約者に万が一のことがあったときに、住宅ローンの残高がゼロになる保険のことです。
団体信用生命保険は、死亡や病気などによりローン債務者が支払いできなくなった場合、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を銀行に支払い、債務の返済に充てる仕組みです。
団体信用生命保険にはいくつか種類があって、死亡したのみに適応になるものや、病気と診断されると適用になるものなど様々です。
ローンの借り入れにこの団体信用生命保険への加入が条件となっている金融機関も多いです。
団体信用生命保険に入っている場合は、アパートローンは完成されます。
連帯保証人になっている場合
連帯保証人とは、主債務者がローンの返済が困難になった場合に、主債務者に代わってローンを返済する義務を持っている人をいいます。
一般的な保証人とは違い、金融機関などの債権者は主債務者が払えるかどうかにかかわらず、連帯保証人に対してはローンの全額の返済を要求することが可能です。
通常は、ローンを組む際に連帯保証人として認められるかどうかは、年収や勤続などの返済能力を金融機関が判断します。
ただしアパートローンの場合は、アパートローンは相続が発生した際にローンの完済をできる条件とするために、連帯保証人はローンの債務者の配偶者や子どもなど相続を受けることになる人物に設定するケースがあります。
団体信用生命保険に入っておらず、連帯保証人となっていると返済の義務を免れることはできません。
基本的には連帯保証人が引き継ぐ
アパートローンは、基本的にアパートローンの連帯保証人が相続します。
つまり、連帯保証人はアパートローンとアパートの経営を相続することになります。
アパートローンの返済は、その家賃収入により行われるため経営と連帯保証人は同一人物である必要があります。
遺産分割協議を行うケースで、完済していないアパートローンが残るアパートがある場合は、連帯保証人がその相続をすることになります。
アパートの相続時には金融機関に相談しておくのが良いでしょう。
相続放棄をする場合
相続放棄とは、親の特定の財産ではなく相続する権利自体を放棄することを意味します。
つまり、初めから相続人ではなかったということになります。
注意点としては、相続人ではないということは、アパート以外の全ての財産を相続する権利がありませんので、預貯金や他の財産も相続されません。
相続する財産の全てを確認した上でマイナスになるとしたら、相続を放棄するというのも1つの方法ですが、他の財産を相続したい場合はこの方法を用いることができません。
また、自分が相続を放棄すると次に相続する権利を持つ人へ権利が移動しますので、その人も相続を放棄する場合は自ら手続きをしてもらう必要があります。
さらに、自分以外に相続人がいない場合、相続財産の管理・処分を代行する「相続財産管理人」を選任することが必要です。
相続放棄をしたとしても、この相続財産管理人を選任するまでの間は、オーナーとしてアパートを管理する義務が発生しますし、相続財産管理人の選任にはそれなりの費用がかかります。
ただし、連帯保証人となっている方は相続放棄によってアパートローンの債務を免れることができないので要注意です。
相続税がかからないケース
以下の2つの場合では不動産を相続しても相続税が発生しません。
・遺産総額が相続税の基礎控除を下回る場合
・相続税の配偶者控除を受けられる場合
遺産総額が相続税の基礎控除を下回る場合は、相続税の申告をする必要もありません。
この金額は、「3000万円+600万円×法定相続人数」です。
例えば、亡くなった人が妻と子ども2人の家族がいた場合、法定相続人は3人となるため、3000万円+1800万円で合計4800万円となります。
よって、不動産を含めた遺産総額が4800万円を超えない場合は、相続税がかからないことになります。
相続税の配偶者控除とは、配偶者が相続した遺産のうち課税対象となるものの額が1億6000万円までであれば、配偶者に相続税が課税されない制度です。
また、相続財産が1億6000万円を超えても、配偶者の法定相続分までであれば、相続税は課税されません。
配偶者控除により相続税がかからない場合は、相続税の申告が要件となるので注意しましょう。
また、この特例は、相続税の申告期限内(死亡日の翌月から10か月以内)に遺産分割が決まっていることが条件となります。
万が一、遺産分割で揉めてしまっているうちに申告期限が過ぎると、控除が使えなくなってしまいますので、遺産については生前にしっかり決めておくのがベストです。
売却益で相続税を納税
アパートを相続してもプラスになりそうにない場合、相続を放棄するというのも手ですが、相続税を支払えない場合は、相続した不動産を売却することも選択肢になります。
延納でも支払いの目途が立たなかったり、物納が不動産のみの場合評価額が市場価格よりも低いので損になるケースなどで、売却して現金化することを検討するのもよいでしょう。
不動産によっては、売却して得た資金で納税するほうが有利になる場合もあります。
ローンの契約状況や連帯保証人について事前確認を
アパートのローンは相続の対象になります。
相続財産がマイナスになる場合は、相続税に算出して納税することになります。
アパートローンが残っているアパートを相続する可能性がある場合は、遺産の整理や連帯保証人、アパート経営の運営状況について事前に確認しておきましょう。
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