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2023.10.20 更新

アパートの相続では評価額が重要?!計算方法まで解説

こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。

アパートの相続は、相続税の課税対象となるため、ほとんどの場合で税金が発生します。

相続税の負担は大きく、課税対象になる相続財産の約半分が、土地や建物などの不動産といわれています。

しかし、賃貸アパートとして相続すると評価額が下がり、相続税対策にもつながります。

今回の記事では、その評価額について計算式も交えながら、分かりやすく解説していきます。

アパートの相続は評価額が下がるため税金対策に

相続でお金やアパートを含む住宅・土地などの財産を受け継いだ場合、その受け取った財産には「相続税」が課税されます。

相続税は、財産を相続した際に必ず課税されるとは限らず、相続した財産の額から借金や葬式費用等を差し引いた後の金額が基礎控除額を上回るときに課税されます。

この基礎控除の額は「3,000万円+(600万円×法定相続人数)」で計算します。

例:相続人が被相続人と配偶者と子2人の場合→法定相続人は3人

3,000万円+(600万円×3人)=基礎控除額4,800万円

※この場合、相続した財産の額が4,800万円以下であれば、相続税は課税されません。

実は、同じ価値の財産なら現金で相続するより、賃貸アパートとして相続した方が相続税対策になります。

理由は、相続税の算出に用いる評価額が下がるからです。

アパートなど不動産の相続税を算出する際、不動産は評価額を元に計算する必要があります。

土地や建物を賃貸に出していると、自分の財産とはいえ自由に使ったり売ったりができないため不動産の評価額が低くなり、相続税評価額が下がることで課税される相続税も安くなるのです。

さらに、土地と建物は別々に評価額が決められるため、それぞれについて次章で解説していきます。

アパート土地部分の評価額の計算方法 

土地の評価額は、「時価」「公示価格」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」など、価格の評価基準がいくつかありますが、相続税の算定には「路線価」と「固定資産税評価額」が用いられます。

札幌市および近郊はほぼ路線価が定められている地域が多いです。

路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています。

令和3年 財産評価基準書 路線価図
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r03/sapporo/hokkaido/prices/html/04158f.htm

まずは土地の共有持ち分を確認

土地の所有者が亡くなった人単独の場合と、家族や他の人と共有している場合とがあります。

家族や他の人との共有している土地は、その共有持ち分の比率も調べる必要があります。

誰と共有しているのか持ち分を把握できているのであれば問題はありませんが、持ち分が分からない場合は法務局で「登記簿謄本」を取得してみましょう。

登記簿謄本は、所有するアパートのある市区関係なく、どこの法務局でも取得可能で、オンラインでも請求が可能です。

登記簿謄本には権利部(甲区:所有権に関する事項)と記載されている部分があります。ので、「権利者その他の事項」を確認します。

土地が他の人と共有となっている場合には、それぞれの共有者の持ち分が「持ち分2分の1 」などと表記されています。

土地の評価額の計算方法 

土地は以下の計算式で評価額を出すことができます。

相続税評価額=地積(面積)×共有持ち分×路線価 

しかし、旗竿地などの変形地だったり、二面道路であったりと複雑な土地の場合は、この計算式では正確に算出できないため、ここから補正していくことになります。

土地の状況については、様々なケースが補正対象となりますので、正確に知りたい場合は税理士に相談してみるのもよいでしょう。

アパートが建っている土地評価の減額措置とは?

アパートなどの賃貸物件に使用されている土地は「貸家建付地」と呼ばれています。

地域によって定められた「借地権割合」、賃貸物件に適応される「借家権割合」、貸出中の部屋に応じた「賃貸割合」を用いて、相続税評価の際に減額措置を受けることができます。

「借地権割合」は、土地それぞれに30~90%の割合が決められており、路線価図に記載されたアルファベットで確認できます。以下にも記載しておきますのでご確認ください。

「借家権割合」は30%と決まっています。

「賃貸割合」とは貸している部分の床面積の割合で、 貸している部分の床面積が広いほど評価額が下がります。

アルファベット  借地権割合 
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%

 貸家建付地の評価額の計算式

評価額 ×(1-借地権割合※×借家権割合(0.3)×賃貸割合 )

※借地権割合 :路線価図に記載、上記表参照

路線価が1㎡当たり30万円で広さが200㎡の場合、評価額は6,000万円です。

借地権割合が60%、賃貸割合80%の場合は、

6,000万円×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合)×0.8(賃貸割合)=課税評価額5,136万円

となり、更地の8割程度になります。

小規模宅地等の減額特例も

アパートなどの貸付事業用宅地は、 小規模宅地等の特例 により、200㎡までを評価額50%に減額することができます。

さらに、自宅とアパートが兼用の場合は、要件を満たす必要がありますが330㎡まで80%減額されます。

※税制改定により、平成30年4月1日以後に経営を始めた賃貸住宅の土地で、相続をした時点でアパート経営が3年以内の場合は、特例から除外されることになりました。

また、この特例は宅地についての適用されるものであり、アパートの建物部分についての特例ではないのでご注意ください。

アパート建物部分の評価額の計算方法 

アパートの建物部分の評価は、固定資産税評価額を使って算出します。

土地と同じく「借家権割合」と「賃貸割合」を使って減額措置を受けられます。

計算式は以下の通りです。

 アパート建物部分の評価額の計算式

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合) 

路線価は用いないため、「借地権割合」は省かれ、「借家権割合」は土地の場合と同じく30%です。

例えば、固定資産税評価額1億円の土地、借家権割合 30%、賃貸割合80%の場合は、

1億円×(1-借家権割合 0.3×賃貸割合 0.8)=課税評価額7,600万円

となります。

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額は、毎年春頃に役所から届く固定資産税の納税通知書で確認できます。

もし無い場合は、所有する不動産がある地域の市役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、 固定資産評価証明書を取り寄せたりして調べることも可能です。

 アパート経営で相続税対策をするメリット

相続税対策としてアパート経営をするのは、相続税が抑えられるほかに家賃収入を得られるというメリットがあります。

また、物件を購入したときのローンが残っている場合、残債分はマイナスの財産として相続財産から差し引かれるため、相続財産額を減らして相続税を抑えることにもつながります。

また、アパート経営をする上で大切なのは出口戦略です。

相続するアパートの築年数や入居率等を踏まえながら、先々まで計画を立て、損のない経営を目指しましょう。

弊社「ジモット」では、札幌や札幌近郊の不動産買取・仲介を行っています。

アパート売却のご相談や査定についても承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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