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不動産売却のコツ
お金のこと
2023.10.23 更新

アパート売却の取得費は節税につながる!譲渡費用も合わせて一覧で紹介します。

こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。

アパート売却の際にかかる税金として、特に高額になるケースが多い不動産譲渡所得税。

売却が希望の価格で成功したと思っても、高額な税金で手元にあまり残らなかったという事態になりかねないものです。

不動産譲渡所得税は、譲渡所得(売却益)が発生する場合にのみ課税されるものなので、できるだけ掛かった経費等を差し引いて譲渡所得を少なくすることが節税の重要なポイントです。

この時、差し引ける経費が「取得費・譲渡費用」です。

「取得費・譲渡費用」が多ければ多いほど譲渡所得が減り、それに課税される不動産譲渡所得税も安くなりますので、本記事を参考にできるだけ細かな費用でも取得費・譲渡費用に計上しましょう。

譲渡所得の計算に必要な「取得費」「譲渡費用」は節税のポイント!

不動産譲渡所得税の計算に必要な不動産譲渡所得(売却益)は、下記の計算式で算出します。

取得費・譲渡費用が多ければ多いほど譲渡所得が減り、それに課税される不動産譲渡所得税も安くなりますので、細かな費用でもできるだけ取得費・譲渡費用に計上することが節税につながります。

不動産譲渡所得の計算式と各項目の内容

不動産譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)

 

≪売却価格≫

アパートの売却価格のことを指しますが、金銭ではなく対価として物や権利を受け取った場合などは、その物や権利の時価が売却価格(譲渡価格)とされます。

≪取得費≫

次章で具体的な取得費について紹介していますが、簡単にいうとアパートを購入した当時の諸費用のことを指します。

購入時の仲介手数料や印紙代・登録免許税・不動産取得税などの費用も含まれ、賃貸経営していたアパート売却の場合は、これまでにかかった設備費やリフォーム費用なども取得費に含まれます。(事業所得などの必要経費に算入していない場合)

※購入時の価格がわからない場合

相続等でアパートを取得した場合、購入した当時の費用がわからない場合は、「売却価格の5%」を取得費として計算することになっています。

≪譲渡費用≫

こちらも本記事内で別途リストアップしておりますが、アパートを売却する際に生じた、仲介手数料や印紙代・建物解体費など様々な諸費用のことを指します。

売却のために支払った立退料なども含みますが、固定資産税など維持や管理にかかった費用は含むことはできません。

取得費に加算できるものリスト

アパートを購入した当時の「購入費用」「購入にかかった諸費用」「賃貸経営でかかった費用」を取得費として計上できます。

相続等でアパート購入時の価格がわからない場合は、「売却価格の5%」を取得費として計算することになっていますが、この方法だと税金が高くなってしまいますので、できる限り調べることをおすすめします。

取得費の具体的なリストは下記です。

取得費に加算できる購入時の諸費用例

・建物購入費

・売買契約書へ貼り付けした印紙代

・仲介手数料

・不動産取得税

・登録免許税

・固定資産税や都市計画税の清算金

・ローン事務手数料

・ローン保証事務手数料

・抵当権設定の免許登録税や登記手数料

・司法書士への手数料

・不動産取得税

・建物解体費

・測量費や整地費など建築や工事にかかった諸費用

・下水道や擁壁の設置費用

・建物に付属する設備費

・リフォーム費用

 

この他にも取得費として計上できるものがある場合もありますので、売却を依頼する不動産会社へ確認するのがいいでしょう。

 取得費に加算できないものリスト

下記はアパート自体にかかった費用としてみなされず、取得費として計上することができません。

・引越し費用

・火災保険料

・家電や家具、カーテン代等

・インターネット加入料等

・つなぎローン金利

・つなぎローン事務手数料

・管理準備金や管理費、積立修繕費等

・町内会費

取得費は減価償却が必要!

アパートの取得費は、前章でリストアップした費用を足せば算出できるわけでなく、合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

減価償却費は下記の計算式で算出できます。

▶減価償却費の計算式

※2007年(平成19年)4月1日以降に取得した場合

 

建物購入費用×0.9×償却率×業務に供された月数÷12

 

事業用不動産の減価償却の計算は、取得した時期によって計算式が異なりますので、詳しくは別記事「減価償却費はアパート売却時の節税にも影響!計算方法についても解説します」をご参照ください。

 譲渡費用に加算できるものリスト

次に譲渡費用について具体的にリストアップしていきます。

「取得費」と同様、「譲渡費用」が多ければ多いほど譲渡所得が減り、それに課税される不動産譲渡所得税が安くなります。

譲渡費用には、下記を計上することができます。

譲渡費用に加算できる売却時の諸費用例

・売買契約書へ貼り付けした印紙代

・仲介手数料

・立退料

・登記費用

・建物解体費

・売却のための広告料

・売却のための鑑定料

・売却のための建物補修費

・交渉のために使用した交通費や通信費等

 

このように、アパートを売却する際に生じた諸費用は、基本的に譲渡費用に加算することができます。

固定資産税など、維持や管理にかかった費用は含むことはできませんので覚えておいてください。

取得費や譲渡費用は、それに加算できるものか否かの判断が難しい場合もあると思いますので、こちらも不動産会社等に確認してみましょう。

譲渡所得税は建物部分のみに課税

アパート購入時の領収書に、土地と建物の価格がひとつになって記載されている場合があります。

譲渡所得税は建物部分のみに課税されますので、建物のみの価格を算出しましょう。

下記3つの方法で算出できます。

❶消費税額から建物価格を算出

消費税は建物のみにかかりますので、購入時の消費税率で建物価格を割り戻すことができます。

❷標準建築単価による方法で算出

消費税の表記もない場合は、「建物の標準的な建築価額表」という建築年と構造で定められた基準を元に算出します。

建物の標準的な建築価額表は国税庁ホームページで確認できます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/kisairei/joto/pdf/013.pdf

❸固定資産税評価額の比率で按分算出

固定資産税評価額の比率から、土地・建物それぞれの価額を求めることができます。

【計算例】

土地・建物の購入金額3,000万円、土地固定資産税評価額1,200万円、建物固定資産税評価額800万円の場合

建物:3,000万円×800万円÷(1,200万円+800万円)=建物価格1,200万円

土地:3,000万円×1,200万円÷(1,200万円+800万円)=土地価格1,800万円

上記で算出した建物金額1,200万円は税込みなので、購入時の消費税率で割り戻しが必要です。

建物価格1,200万円÷1.08=1,111万円

※購入時の消費税率が8%の場合

以上の計算で建物の取得費は1,111万円ということがわかります。

譲渡所得が発生した場合は確定申告が必要

譲渡所得は「分離課税方式」と呼ばれるもので、給与所得とは別所得として計算して確定申告し、税金を納める必要があります。

アパートを売却した翌年の確定申告の時期である2月16日~3月15日の間に申告して納付しましょう。

この時期に確定申告を行わなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティーを受ける可能性が出てきます。いずれも非常に高い税率となっているため、税金が高額になってしまいますので注意してください。

申告方法は、「直接ご自身で税務署へ提出」「e-TAXを利用して提出」「税理士に依頼する」のいずれかになります。

税理士に依頼する場合は、税理士への報酬費用がプラスで必要になります。

申告は、申告書類提出時に居住している住所地を管轄する税務署にて行いましょう。

詳しくは「アパート売却時の確定申告は?3つの手順や必要書類についても解説!で解説しております。

取得費・譲渡費用をもれなく計上するために

これまで解説してきたように、取得費・譲渡費用には多くの諸費用を加算することができます。

ご自身では判断の難しいものも多いと思いますので、迷ったら税務署や不動産会社へ確認しましょう。

弊社でもアパート売却に関するご相談を承っております。

ご検討の方は、お気軽に弊社「ジモット」へご相談ください。

ご相談はコチラ(https://jimott.co.jp)から

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