離婚後の家の売却と財産分与、トラブル回避のためのポイント
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
離婚は、夫婦関係が破綻してしまったときに、法律的な手続きを経て解消されます。
そして、離婚は単に関係を解消するだけではなく、財産分与などの問題が発生することがあります。
その中でも特に、夫婦が共有していた家の売却については、複雑な手続きが必要となります。
本記事では、離婚後の家の売却と財産分与や起こり得るトラブルについて詳しく解説します。
目次
離婚後の家の売却について
夫婦が離婚すると、共同で所有していた家の売却や分割についての問題が発生します。
この問題を解決するためには、家の売却についての手続きを正確に理解することが必要です。
財産分与の手続き
離婚は、夫婦にとって大きな決断です。
さらに財産分与の手続きは、その後に続く大変な作業の1つになります。
まず、夫婦が所有していた家をどうするかを話し合い、財産分与の手続きを行います。
財産分与には、以下の手続きがあります。
- 財産目録の作成
- 評価額の算出
- 財産分与協議書の作成
財産目録は、夫婦が所有している財産をリストアップしたもので、住宅も含まれます。
家、土地、預貯金、株式、投資信託、債券、現金、自動車など夫婦が所有するあらゆる種類の財産が含まれます。
財産目録には、財産の名称、数量、評価額、所有者などの情報を記載する必要があるため、夫婦が共同で所有している家の評価額を調べることになります。
財産目録は離婚後の財産分与手続きをスムーズに進めるために欠かせない書類であり、正確で詳細な情報が含まれていることが重要です。
評価額は、不動産鑑定士などの専門家によって算出されます。
不動産評価額は、以下の要素を基に算出されます。
- 周辺不動産価格
- 不動産の種類
- 不動産の面積
- 建物の構造、年数、設備の評価
- 地域の施設や交通アクセスなどの利便性
不動産鑑定士に依頼すると有料ですが、不動産の仲介会社に無料で査定依頼をして調べることもできます。
財産分与協議書は、離婚後の財産分与の内容をまとめたもので、家を売却する場合には、どのように分配するかも記載されます。
財産分与を行う際には、夫婦の意向や考え方が一致することが必要です。
離婚後の生活における財政的な問題や子育てなど、様々な問題があるため、円満な離婚に向け、良好なコミュニケーションが必要不可欠です。
売却の決定
財産分与の手続きが完了したら、家を売却するかどうかを決定します。
売却する場合は、以下の手続きが必要です。
- 不動産会社の選定
- 不動産会社との契約締結
- 売却価格の決定
査定を行い不動産会社を決めたら、契約締結後は、売却価格を決定し、売却手続きを進めます。
売却手続きの完了
売却手続きが完了する時点で、家が現金化されます。
売却代金から手数料等を差し引いた上で財産分与の配分を行います。
財産分与について
財産分与は、離婚後に夫婦が共有していた財産を分配する手続きです。
財産分与には、以下のような方法があります。
均等分与
均等分与は、夫婦が共有していた財産を半分ずつ分ける方法です。
この方法は、夫婦が共有していた財産を迅速かつ簡単に分割できるという利点があります。
家や預貯金、車、株式などの財産が半分ずつ分配されます。
財産分割協議
財産分割協議は、夫婦が話し合い、合意した方法で財産を分配する方法です。
この方法は、夫婦が合意した比率で財産を分割するため、公正な方法であると認められています。
家や預貯金、車、株式などの財産を、夫婦が合意した比率で分配します。
夫婦が話し合い、合意した方法で財産を分配する内容をまとめた財産分与協議書を作成して、どのように分配されるかを記載します。
財産分与で起きるトラブル
離婚の財産分与において、トラブルが発生する可能性があることは避けられません。
トラブルの多くは、財産目録の作成や評価額の算出に誤りがあった場合に起こります。
以下に、離婚の財産分与で起こりうるトラブルについて詳しく説明します。
財産目録の不備
財産目録に漏れがある場合、財産分与が不公正になることがあります。
財産目録には、財産の名称、数量、評価額、所有者などの情報が含まれますが、これらの情報に漏れがある場合、財産分与が不公正になる可能性があります。
評価額の不一致
夫婦が協議して決めた評価額が、実際の市場価格と異なる場合があります。
この場合、片方が不公平な取引をしたと感じることがあるかもしれません。
評価額の不一致を避けるためには、信頼できる不動産の仲介会社に査定依頼をして調べてもらいましょう。
財産分配の不公平
財産分配が、夫婦の希望や合意に反する場合があります。
たとえば、配偶者が財産目録に記載されていなかった財産を隠していた場合、もう一方が不公平な扱いを受けることになります。
財産分配においては、公正で合意が取れるよう、相手の意見にも耳を傾けることが大切です。
また、財産分配を行うにあたり、夫婦の意向や考え方が一致することが必要です。
これらのトラブルを回避するためには、正確で詳細な財産目録の作成や、専門家による適切な不動産評価額の算出が必要です。
また、夫婦間の円満なコミュニケーションが重要です。
財産分配においては、公正な合意が取れるように努めましょう。
また、夫婦の話し合いが難しい場合は、専門家に相談することがおすすめです。
弁護士や司法書士など、専門家に相談することで、財産分与の手続きや家の売却に関する問題をスムーズに解決することができます。
また、子育てや生活費など、離婚後の様々な問題に対しても、専門家に相談することができます。
円満な離婚に向け、適切なサポートを受けることが大切です。
家を売却する場合の注意点
夫婦が離婚して家を売却する場合、以下のような注意点があります。
早めの相談が必要
離婚後に家を売却する場合は、早めに不動産会社などの専門家に相談することが大切です。
家は売却にかけてから売れて現金を手にするまで相当な期間が必要となるため、今すぐに現金化して財産を分けるというわけにはいきません。
売却価格の決定
不動産会社による査定に基づいて、家の売却価格を決定します。
売却価格は、不動産市場の状況や家の評価額など物件の条件によって、大きく異なることがあります。
早めに査定依頼を行い、自分の所有する物件がどのくらいの価格になりそうか確認をすることが財産分与をスムーズに進めるポイントです。
売却のタイミング
一般的には離婚後に財産分与を行います。
離婚前に財産分与を行う場合、離婚後に財産の増減があった場合に再度財産分与を行わなければならないことがあるためです。
また、離婚前に財産分与を行う場合、将来的に起こりうる法的争いに備えることができません。
そのため、一般的には離婚後に財産分与を行うことが推奨されています。
公平な財産分与のために協力して手続きを進めましょう
離婚後の家の売却と財産分与は、複雑な手続きが必要です。
夫婦が所有していた財産を分配するためには、財産目録の作成や評価額の算出などが必要です。
また、家を売却する場合には、不動産会社の選定や契約締結が必要です。
最終的には、売却代金から財産分与の配分を行うことで、問題を解決することができます。
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