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相続のこと
2023.10.20 更新

不動産相続における共有名義のメリットとデメリット

こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。 

不動産の共有名義は、相続人が複数いる場合に選択される方法のひとつです。

また、相続人間でのトラブルを回避するために、コミュニケーションが十分にできる場合や、

相続人間での分割や売却を行う予定がなく、継承財産を共に管理することが望ましい場合にも共有名義が選択されることがあります。

本記事では、不動産相続における選択肢の一つである共有名義のメリットとデメリットについて詳しく説明します。

共有名義とは

共有名義とは、複数人が不動産を共有する名義のことです。

つまり、複数人が不動産の所有者となり、その所有権を共有することができます。

共有名義にすることで、相続手続きが簡単になる、費用が削減できる、相続人のトラブルを回避できるなどのメリットがあります。

しかしながら、財産分与ができなくなる、相続税還付ができない、相続人間でのトラブルが起こりやすくなるなどのデメリットも存在します。

共有名義のメリット

相続手続きが簡単になる

共有名義にすることで、相続手続きが簡単になります。

共有名義の場合、相続人のうち一人が亡くなった場合でも、不動産の所有権は生き残った相続人に自動的に移行します。

したがって、相続手続きをする必要がありません。

通常、相続手続きの流れは以下の通りです。

・相続開始の届出を提出する

・相続人と相続分の確定をする

・相続税申告をする

・相続税の支払いをする

・財産を分割する

相続手続きにおいて、共有名義にする場合は、財産を分割することができないため、注意が必要です。

費用が削減できる

不動産を相続する場合、相続税がかかります。

しかし、相続人が共有名義で所有している不動産については、相続税がかからないことがあります。

また、共有名義の場合、相続手続きにかかる費用も少なくなります。

相続税の計算は、相続人の続柄や相続財産の価格、相続事業の価格などによって異なります。相続税の税率は、相続財産の価格に応じて変化します。

相続財産の価格が1億円以下の場合、税率は10%から50%までです。

相続人のトラブルを回避できる

共有名義にすることで、相続人のトラブルを回避できます。

共有名義の場合、持ち分が明確になっているため、相続人間でのトラブルが少なくなります。また、相続人間での不動産の取り決めも簡単になります。

継承財産の管理が容易になる

継承財産とは、相続人が相続することができる財産のことです。

この財産は、相続人が相続開始日に所有していた財産や、相続開始日以降に相続人が取得した財産などが含まれます。

ただし、相続人によっては、相続財産から除外される場合もあります。

例えば、遺留分の取得権を有する配偶者や子供は、相続財産から除外されることがあります。

共有名義にすることで、継承財産の管理が容易になります。

共有名義の場合、相続人が一括して管理することができるため、管理の負担が軽減されます。売却や賃貸などの決定も迅速に行うことができます。

相続人の個人情報保護になる

共有名義にすることで、相続人の個人情報保護になります。

共有名義の場合、相続人の個人情報が公開されることはありません。

相続手続きにおいても、個人情報が漏れることがないため、プライバシーが保護されます。

共有名義のデメリット

財産分与ができない

共有名義にすると、財産分与ができなくなります。

共有名義にすると、相続人間で持ち分が明確になりますが、それぞれの持ち分を物理的に分割することはできません。

したがって、共有名義にすると、不動産の売却や相続人間での取り決めに制限が出てきます。

相続税還付ができない

共有名義にする場合、相続税還付ができないことがあります。

相続税還付とは、相続税を支払った後、還付されることがある制度です。

相続税還付を受けるためには、相続財産の評価額が相続税の非課税限度額を下回っている場合や、相続人が相続財産を一定期間内に売却した場合などが条件となりますが、共有名義の場合は、相続税還付を受けることができません。

共有名義では、相続人が共有名義で所有している不動産については相続税がかからないことがありますが、相続税還付を受けることはできません。

これは、共有名義の所有権が一定の割合で分かれているためです。

相続人間でのトラブルが起こりやすい

共有名義にすると、相続人間でのトラブルが起こりやすくなります。

共有名義の場合、相続人間での持ち分の割合が明確になっているため、不動産の売却や相続人間での取り決めなど、問題が起こることがあります。

例えば、一人の相続人が不動産を売却したいと考えた場合、他の相続人が反対する場合があります。

したがって、相続人間でのコミュニケーションが十分にできない場合は、共有名義にすることはおすすめできません。

管理が複雑になる

共有名義にすることで、管理が複雑になることがあります。

共有名義の場合、相続人全員が財産管理に携わる必要があります。

そのため、管理負担が増え、決定を下すのに時間がかかることがあります。

将来的に共有人がさらに相続を行う事を繰り返すと、誰が所有者か分からなくなり管理者と連絡がつかなくなったり、居所が不明になったりということも考えられます。

売却や賃貸が難しくなる

共有名義にすると、売却や賃貸が難しくなることがあります。

共有名義による相続財産の場合、相続人全員が相続人として扱われます。

つまり相続人全員の同意が必要となるため、売却や賃貸に時間がかかることがあります。

また、相続人全員が同意しなかった場合、売却や賃貸を行うことができません。

共有名義の相続財産を相続した場合、相続人全員が、その相続財産の持分を相続することになります。

そのため、相続人が増えた場合、相続人全員で協議し、相続財産の管理方法を決定する必要があります。

そのため、共有名義による相続財産の場合は、相続人全員がコミュニケーションを取り、相続財産の管理方法を決定することが重要です。

マンションを共有名義にする場合

相続においてマンションを共有名義にする場合は、以下の注意点があります。

  • 分譲マンションの場合、管理組合規約に共有名義についての規定があることがあります。規約には、財産管理に関する事項や、共有名義者による決定についての規定が含まれています。相続時には、規約を確認し、遵守する必要があります。
  • 財産分与ができなくなるため、分割所有にすることが望ましい場合は、共有名義にすることは避けるべきです。
  • マンションの管理には、共有名義者全員が携わる必要があります。そのため、共有名義者間でのコミュニケーションが重要です。また、共有名義者全員が同意しなければ、売却や賃貸ができないことがあります。
  • 共有名義にする場合は、相続人全員が共有名義者となるため、相続税の非課税限度額が減少する可能性があります。

相続時には、財産評価や相続税の計算、管理方法などを考慮し、適切な方法を選択することが重要です。

共有者とコミュニケーションを取っていけるかがカギ

以上が、共有名義に対するメリットとデメリットです。

共有名義にするかどうかは、相続人の状況によって異なります。

共有名義にする場合は、相続人間でのトラブルを回避するために、コミュニケーションを十分に取ることが大切です。

また、不動産の管理や売却、賃貸に関しては、相続人全員が同意することが必要であるため、注意が必要です。

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