親のアパートを相続したくない!相続放棄?手放す?
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
親がアパートを所有していて自分が相続することになるとき、アパート経営は手間がかかるし相続したくないという方もいるかと思います。
相続前であれば事前にアパートを処分しておいてもらうことも可能ですが、親が亡くなり相続が発生してしまうと、相続するか、放棄するか、どちらかを選択することになります。
アパートを相続したくない場合の対処法はどういったものがあるのでしょうか。
目次
相続放棄をする場合
相続放棄とは、親の特定の財産ではなく相続する権利自体を放棄することを意味します。
つまり、初めから相続人ではなかったということになります。
注意点としては、相続人ではないということは、アパート以外の全ての財産を相続する権利がありませんので、預貯金や他の財産も相続されません。
相続する財産の全てを確認した上でマイナスになるとしたら、相続を放棄するというのも1つの方法ですが、他の財産を相続したい場合はこの方法を用いることができません。
また、自分が相続を放棄すると次に相続する権利を持つ人へ権利が移動しますので、その人も相続を放棄する場合は自ら手続きをしてもらう必要があります。
さらに、自分以外に相続人がいない場合、相続財産の管理・処分を代行する「相続財産管理人」を選任することが必要です。
相続放棄をしたとしても、この相続財産管理人を選任するまでの間は、オーナーとしてアパートを管理する義務が発生しますし、相続財産管理人の選任にはそれなりの費用がかかります。
相続した不動産を手放す場合
相続放棄しない場合は、いったん相続を受けることになります。
1度相続すると所有権が自分に移転登録されます。
既に所有権移転して相続された不動産は、後から「やっぱりいらない」と放棄することができません。
そんな相続後の土地や建物を手放したい時には以下の3つの方法があります。
・贈与する
・寄付する
・売却する
不動産を贈与する場合
相続後の不動産を放棄することはできませんが、誰かに贈与することはできます。
お金を払ってまで欲しい人はいないけれど、もらえるなら欲しいという場合があるかもしれません。
贈与する場合は、後々のトラブルを防ぐためにも贈与契約書を交わすなどしておいたほうが良いでしょう。また、所有権の移転登記も行いましょう。
不動産の評価が110万円以上の場合は、贈与税が発生します。
(贈与財産価額 − 110万円)× 税率 − 控除額
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | 0万円 |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
贈与税の計算は相手との関係により税率が変わります。
売却が見込めないような不動産の場合は、親戚や近隣の人などに贈与を持ちかけても良いかもしれません。
不動産を寄付する場合
買う人も、もらう人もいないような不動産の場合、寄付という方法はどうなのでしょうか。
まずは自治体に相談して、調査により寄付を受けるかどうか判断されます。
ただし自治体への不動産の寄付は、自治体にとって利用目的が明確でない場合は受け付けてもらえない場合が多いでしょう。
売却しても買い手のつかないような不動産は活用自体が難しい事が予想されるため、自治体にもいらないと言われてしまう可能性が高いです。
また、不動産は自治体にとっては税の収入源。
そのまま所有して税金を納めてもらうほうがメリットがあります。
アパートを売却する場合
相続放棄も贈与も寄付もしない場合、売却がおすすめです。
アパートを現金化できるため、売却益が出たら相続人が複数いる場合財産を現金で分けることも可能です。
アパートを売却する流れ
アパートを売るには大きく以下のような流れで進みます。
1.不動産会社にアパートの査定を依頼する
2.不動産会社と媒介契約をむすぶ
3.買主と売買契約をする
4.買主に物件を引き渡す
アパートやマンションの場合ですと、アパートやマンションの売却を得意としている不動産会社に査定を依頼するのが良いでしょう。
不動産仲介会社は、それぞれに得意な物件やエリアを持っていることが多く、特にアパート等の物件の場合は実績がある担当者のいる会社ですと様々なトラブルにも対応できます。
査定価格も、得意としている分野の物件の方が売却がしやすいため、そうでない会社に比べて価格が高い傾向にあります。
すぐに売却すると税金がおトク!
相続してすぐに売却すると、税金面でのメリットがあります。
1つは、固定資産税(毎年1月1日時点で不動産の所有者に対して課税される税金)を払わなくて済むことです。
相続してから売却までの所有者である間に1月1日を迎えない場合は、固定資産税の支払い対象ではなくなります。
また、相続税がかからないケースや、売却益から相続税を支払う制度もあります。
詳しくは、「アパートの相続税が払えない!そんな時の支払い方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
立地条件のチェックポイント
当然ながらアパートは立地条件が査定額に最も大きく影響します。
都心部ですと、地価が高いように重要も多く、利便施設が近隣にあるか、駅まで徒歩何分か、などの条件が良ければ良いほど金額も高くなります。
郊外の場合でも、ファミリーや一定の層に需要が高いエリアであったり、駐車スペースが十分にあったり等車移動しやすい立地の場合は、査定のプラスポイントとなります。
入居者の立ち退きが必要な場合
アパートの売却は、そのままオーナーチェンジとして売買するケースだけではありません。
解体して土地だけ利用したい、建て替えたい、などの買主の希望が出る場合もあれば、耐用年数的に解体して土地として販売した方が良い条件で売れる物件もあります。
その際は当然ながら入居者に出て行ってもらう必要がでてきます。
立ち退き勧告は売却の1年前~半年前に立ち退き料を支払って行いますが、そう簡単に全員が期間内に出ていく訳ではありませんので、プロに相談しながら進めるのがよいでしょう。
借金などで相続財産が赤字でない場合は相続してから売却がおすすめ
アパートを相続したくない場合、相続放棄をするか、いったん相続してから手放すか、のどちらかの方法を取ることになります。
相続放棄は、アパート以外の遺産も全て相続する権利がなくなってしまう点に注意です。
もし借金などマイナスがあり相続してもメリットがない場合でなければ、アパートやその他の財産を相続したのち売却して現金化するのが良いでしょう。
アパートを売却する場合の価格は、不動産仲介会社に査定を依頼して調べてみましょう。
オーナーチェンジの場合は入居状況など投資としての経営状況がポイントです。
解体して土地として売却する場合でも、アパートは好立地に建っているケースが多いので、土地としての需要も見込めて地価上昇中の札幌では不動産は売り時と言えます。
ジモット では、札幌や札幌近郊のアパート・マンションの無料査定を行っています。
ちなみに ジモット では立ち退き交渉を得意としていますので、まずはご相談ください。
売却を検討している方は、是非お気軽に査定をご依頼ください。