不動産の売却後も住み続けることができる「リースバック」を詳しく解説
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
不動産売却の選択肢のひとつに、「リースバック」というものがあります。
これは不動産を売却したあとも、住み慣れた自宅に住み続けることができるシステム。
今回のコラムでは、このリースバックの仕組みを分かりやすく解説します。
もしリースバックの利用を考えているなら、仕組みや特徴、メリット・デメリットをしっかり知ったうえで検討してくださいね。
目次
不動産の売却後も住み続けられる「リースバック」とは?
リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却したあとも、家賃を払いながら賃貸として自宅に住み続けることができるシステムです。
売却金は一括で支払われるので、まとまったお金や老後資金をつくりつつ、住み慣れた自宅で暮らせます。
将来的には、再び自宅を買い戻すことも可能です。
賃貸契約の期間満了時には、「①賃貸契約を更新して住み続ける」「②退去して別の家へ引っ越す」「③再び買い戻す」の3つの選択肢があります。
不動産の所有権を手放すので、終活や相続に向けての資産整理としても有効でしょう。
リースバックとリバースモーゲージとの違い
よく聞く似たような言葉に「リバースモーゲージ」というものがあります。
リースバックが不動産の売却なのに対し、リバースモーゲージは自宅を担保にした融資である点が大きな違いです。
リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関から融資を受ける仕組み。
毎月の支払いは利息のみで、契約者が亡くなったら担保物件を売却して借入金を返済します。
こちらも自宅に住み続けながら、老後資金をつくることができますが、対象物件は基本的に戸建て住宅となります。
受け取る融資は老後資金や自宅のリフォーム費用など用途が限定されていたり、50~80歳の人を対象にしていたりといった、制限もあります。
融資ですので、利用するには審査に通る必要があり、自宅に住宅ローンが残っている場合は利用できません。
不動産売却でリースバックを利用する流れをチェック
リースバックでは、不動産の売買契約と賃貸契約の2つの契約を結びます。
リースバックの流れは以下の通りです。
【1】不動産会社やリースバック業者へ相談・査定
不動産会社やリースバック業者へリースバックを利用したい旨を相談し、物件の査定を受けます。
査定に基づいた買取価格の提示に問題がなければ、売却に進みます。
【2】不動産売買契約
不動産会社と不動産売買契約を結び、自宅を売却します。
申し込みから2週間~1カ月程度で売却完了・売却金振り込みとスピーディです。
不動産の所有権は不動産会社へ移ります。
【3】不動産賃貸契約
不動産会社と物件の賃貸契約を結びます。
契約期間に定めのある「定期借家契約」であることが多く、契約期間満了後は再契約をして住み続けるケースが多いです。
売却後に賃貸契約をしてそのまま住み続けるため、引っ越しは不要です。
リースバックのメリットとデメリットは?どんな人におすすめ?
リースバックのメリットとデメリットを確認しましょう。
リースバックのメリット
リースバックの大きなメリットは、不動産の売却でまとまった資金を得ながらも、住み慣れた自宅に住み続けられることです。
売却がスピーディで現金化が早く、引っ越しが不要なので手間もかからず、不動産売却を周囲に知られることもありません。
不動産の所有権を手放すので、固定資産税や都市計画税の負担もなくなります。
また、必要があれば将来的に買い戻せる可能性もあり、不動産売買契約時に「再売買予約権」を盛り込むケースもあります。
リースバックのデメリット
一方、リースバックのデメリットは、一般的な不動産売却や賃貸の相場と比べて不利になるケースが多い点です。
たとえば、売却価格は一般的な相場の60~90%程度、買い戻す際には売却価格の1.1~1.3倍程度、家賃も一般相場より高いケースがほとんど。
家賃は周辺の相場ではなく、売却価格を基準に設定され、売却価格の8~10%程度とされることが多いです。
これは、不動産会社やリースバック業者が営利企業であって、物件の売買や賃貸で利益を得ることを目的に価格設定をしているからです。
また、修繕などが借主負担となる、賃貸契約は「定期借家契約」となるといった条件も多く、これらもデメリットとして挙げられることが多いです。
特に定期借家契約だと、期間満了による契約終了後に再契約ができるとは限らず、ずっと住み続けられるとは限らない点には、注意が必要です。
リースバックがおすすめなのはこんな人!
リースバックは、自宅を売却してすぐにまとまった資金をつくりたいけど、自宅に愛着があり住み続けたいという人におすすめです。
通常の売却と違って自宅に住み続けることができますし、リバースモーゲージと違って年齢・物件・売却金の用途制限などもありません。
終活に向けて資産の整理をしたい人にもおすすめといえるでしょう。
ただし、一般的な売却と比べて価格面では不利になるケースも多いので、売却価格や家賃はしっかりとシミュレーションをして検討するようにしてくださいね。
リースバックは不動産を売却しても住み続けることが可能!
リースバックとは、不動産を売却し、その後は賃貸として自宅に住み続けるというシステム。
自宅を不動産業者などに売却してスピーディに現金化しつつ、愛着のある自宅での生活も続けられます。
引っ越しをしなくてよいので手間がなく、周囲に不動産を売却したこともバレにくいです。
将来的には買い戻すことも可能です。
しかし、一般的な売却や賃貸と比べて、売却価格や家賃が不利になることがデメリット。
買い戻す際にも売却価格より高くなりますので、買い戻すハードルは高く感じてしまうかもしれません。
リースバックは、早急に資金作りをしたいけれど自宅に愛着がある人や、終活に向けて資産を整理したい人などに向いています。
ただし、一般的な売却より価格面では不利になることが多いので、よく検討したうえで使用しましょう。
ジモットでは、札幌や札幌近郊の不動産買取・仲介を行っています。
不動産の売却でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。