コラム
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空き家のこと
2023.10.23 更新

空き家放置は高リスク!注意点と対策を詳しく解説

こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。

「相続で古い家を所有しているけれど、そこに住む予定もなく、とりあえずそのままにしてしまっている」という方も多いのではないでしょうか?

近年このような「空き家」が増えていることで、様々なトラブルが報告され、社会問題にまで発展しています。

今回は「空き家」を放置することで起こりうるリスクと掛かるコスト、その対策や解決法について説明していきます。

空き家放置のリスク3例

家は人が住んでいないと、老朽化が急速に進んでしまうという特性があります。

風通しが悪くなることで湿気や結露が起こり、カビや腐食の原因になったり、通水していないことで台所やトイレから害虫が侵入したり、悪臭が発生したり、想像以上に家を傷めてしまうことになるのです。

さらに放置が続くと、敷地に雑草が生い茂るなど景観も悪化、犯罪を誘引する可能性も出てきます。

このように家の老朽化が進み、それを放置することで起こりうるトラブルや事故など、3つのリスクについて一つずつ解説していきます。

❶近隣住民への被害

・老朽化による倒壊等で、事故につながる危険性

・雑草が生い茂ることで、害虫が発生する

・野生動物が住みつくことによる、悪臭や騒音の懸念

空き家の老朽化が進むと、外壁の脱落や屋根材の飛散、さらには倒壊の危険性が高まります。

こうした状況は人の命にも関わる最悪の事態を招いてしまう可能性がありますので、早急な対策が必要です。

一見大丈夫そうに見えても、建築基準法改正(1981年)以前の建物は旧耐震基準のため、地震による倒壊リスクがありますので注意が必要です。

また、敷地内の立木も倒壊や枝折れ等が敷地外に散乱し通行の妨げになったり、雑草や動物、浄化層の破損等の影響で害虫や悪臭が発生するなど、近隣住民への被害につながります。

❷犯罪を誘発する可能性

・草木が生い茂り、不法投棄を誘引してしまう

・ツタ等が家を覆い、不審者が侵入しやすい

・明らかな空き家は、放火犯に狙われやすい

空き家を放置しているということは管理がされていないため、草木が生い茂ることで家が覆われ、ゴミの不法投棄や不審者の侵入にもなかなか気付くことができません。

こういった状況は、生活環境保全にも悪影響ということはもちろん、空き家は人目につきにくいことや、燃えやすい枯れ木やゴミなどが散乱していることから放火などの犯罪を誘発する可能性が高いといえます。

❸固定資産税などの出費

・固定資産税が6倍になる懸念

・強制解体で費用負担の可能性

・資産価値の減少で損をしかねない

2015年に空き家対策特別措置法が制定され、これにより所有する空き家が「特定空き家」に認定されてしまうと、固定資産税を最大6倍課されてしまう懸念や行政処分として強制解体され、その費用を負担しなくてはいけなくなる可能性が出てきます。

(特定空き家については特定空き家とは?指定される条件や注意点・対策をまとめて解説!」をご覧ください。)

また、空き家の状況が悪くなることで資産価値が下がり、売却する際の売却額に悪影響を及ぼします。

多額の賠償金に?!損害賠償リスク

空き家放置のリスクでご紹介したような近隣住民への被害や倒壊、放火などの犯罪が実際に起こり、人にケガをさせてしまったり、近隣の家へ被害を与えてしまった場合は、空き家の所有者に対して損害賠償が請求されます。

被害状況により賠償金の負担は様々ですが、具体的例を3例ご紹介いたします。

人にケガをさせてしまった場合

この場合、被害者の治療費や入院費などの各種費用の負担や、被害者が通院や入院によって仕事を休まなければいけなくなった場合には、休業損害などの賠償金も発生します。

さらに、被害者にケガを負わせ、入通院させてしまったことに対する慰謝料も同時に請求されます。

万が一亡くなったしまった場合には、何億円というケースも決して少なくありません。

空き家が倒壊して、隣の家に被害を与えてしまった場合

この場合は、近隣の家への被害が及んだ損害賠償費用や家財の損害を与えた賠償責任を負うことになります。

費用は損害具合により、修繕で済むのか、建て替える必要があるのか等で大きく異なります。建て替えとなった場合などは、数千万単位の請求になる可能性もあります。

たとえ火災保険に加入していたとしても空き家となると、保険対象外となる可能性もあるので注意が必要です。

空き家が自然発火や放火等で燃えてしまった場合

火災の原因は大きく「過失によるもの」と「故意によるもの」の2つに分けることができます。故意によるものが放火など、過失によるものは失火です。

まず「過失による」火災の場合、失火を取り扱う失火法で、近隣への損害賠償は免除になることが定められています。そのため、過失で火災を起こしてしまった場合は失火法によって守られ、近隣への賠償から救済されます。

ただし、どのような過失も認められる訳ではなく、故意とも思えるような重大過失が認められる場合には、失火法の適用から外れます。

例えば管理不行き届きによる漏電火災などの場合は、管理の点で重大な過失があるとされ、失火法が適用されない可能性があります。

次に「故意による」放火等の火災場合、基本的に空き家の所有者は責任を負いませんが、空き家の状況によっては責任を問われるケースもあります。

例えば空き家の管理が悪く、誰でも家の中に入れるなどの状況は「第三者が容易に火を出せる状況を作った」という判断になり、重大な過失とされる可能性があるのです。

この場合、失火法の適用から外れ、多大な損害賠償額になることがほとんどです。

リスク回避のための管理対策

これまでに上げてきたようなリスクを回避するためには、所有する空き家を「放置」するということがないように対策する必要があります。

空き家を所有している以上、管理責任からは逃れられませんので、ここでは具体的な対策例をご紹介いたします。

❶管理方法を決める

基本的なことですが、管理方法を決めて定期的に建物や敷地の状況を確認するだけでも、リスク回避につながります。

もちろん、それには掃除や修繕等の手間や労力が掛かりますので、難しい場合は代行会社に依頼して、代わりに管理してもらうという方法もあります。

いずれにしても、固定資産税の他にランニングコストが掛かることになりますので、その価値があるのかしっかり検討してから判断することが大切です。

❷賃貸として活用する

空き家がそこまで傷んでいない状態の場合であれば、賃貸として活用できる場合があります。家賃収入が入りますし、人が住むことで目が行き届き、建物の劣化や老朽化のスピードも遅くなるメリットがあります。

築年数の古い家には借り手がつかないと思いがちですが、あえて築年数の古い家を選んでスローライフを送りたいと考える人も近年増えていますので、先入観で決めつけず、不動産会社に相談してみるのをおすすめします。

❸家を解体して、土地として活用する

解体費用の出費はありますが、空き家がなくなる分、管理の手間や老朽化、火災リスクは回避できます。

さらに、土地に活用できるような要素があれば、駐車場経営や建て貸しなどで収益を上げることができるかもしれません。

ただし、空き家の解体により住宅用地特例の適用がなくなるため、固定資産税が高くなりますので把握しておく必要があります。

管理が難しい場合の解決法

所有する空き家が遠方にあったり、なかなか時間が取れないなど、管理が難しい場合も多いと思います。

その場合の解決法についても3例ご紹介いたします。

 ❶売却する

空き家を売却することで、その後の管理手間や固定資産税等の維持費もかからなくなるメリットがあり、売却益を得られる可能性もあります。

通常、不動産を売却して利益が出ると売却益に対して税金が掛かりますが、一定の条件を満たす空き家の場合は非課税となる優遇措置もあります。

また、売却する場合には「そのままの状態で売却」「リフォームして売却」「解体して土地として売却」などいろいろな方法がありますので、状況に合わせたベストな方法を不動産会社に相談するといいでしょう。

❷買取を依頼する

空き家が売りにくい立地であったり、売りにくい条件がある場合は不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。

買い手を探す必要がないので、価格の折り合いが付けばすぐに不動産会社へ売却でき、お金を得ることができますが、条件によっては買取を断られるケースもありますので、何社か探してみるとよいでしょう。

❸空き家バンクに登録

空き家バンクとは、空き家を活用したい人と管理者を探している人を結びつけるマッチングサービスです。空き家を売りたい人と買いたい人をマッチングさせる空き家バンクもあります。

自治体が運営している空き家バンクや、アットホームやライフルホームズなどの不動産情報サイトで運営しているものがあり、それぞれ自宅から全国の空き家情報を調べることができます。

ただし各自治体の場合は、売買契約や仲介に一切関与しないので、トラブルを防ぐためには仲介業者に入ってもらうのが安心です。

まとめ

空き家の放置することによって起こるリスクと、その対策や解決法について解説しました。

特に家が古い場合は、倒壊の危険が高かったり、近隣の迷惑になってしまうリスクから避けられません。解体やリフォームに利用できる補助金やローンも多くありますので、できるだけ放置せずに有効な対策を考えましょう。

うまく活用できれば資産として運用することができたり、メリットになることもありますので、ぜひこの機会に空き家の活用法を考えてみてはいかがでしょうか?

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