亡くなった親の家を売るための相続と売却の流れ10ステップをご紹介
こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
亡くなった親の家を相続する場合、様々な手続きを行わなくてはならなかったり、相続税が発生する可能性あったりなど、解決すべき問題がたくさん出てきます。
特に不動産相続の手続きは複雑で、難航するケースも多くあります。
この記事では、家の相続で売却までご検討されている方向けに、具体的にどのような手続きを行えばいいのか「相続の流れ」と「売却の流れ」に分けて、わかりやすく解説しています。
相続した家のスムーズな相続と売却のためにも、ぜひご一読ください。
目次
亡くなった親の家の【相続の流れ】4ステップ
不動産相続の際、必要になる相続手続きは下記の4つです。
それぞれ一つずつ、詳しく解説していきます。
❶遺言書や資産、債務の有無を確認
❷遺産分割協議
❸相続登記
❹売買契約書や土地境界線を確認
❶遺言書や資産、債務の有無を確認
被相続人が残した遺言書がある場合は、遺言書に従って遺産を分割することになります。
遺言書の形式は下記の2種類がほとんどです。
公正証書遺言:どこの公証役場でも調べることができる。
自筆証書遺言:貸金庫や書斎、もしくは被相続人の弁護士や税理士等が保管している場合も。
また、相続税を算出するために被相続人のすべての資産と債務を確認します。
相続から2ヵ月以内を目途に、関係する金融機関にて確認しましょう。
❷遺産分割協議
遺産分割協議とは、被相続人の財産を相続人である家族や親族などに分割するための協議のことです。
遺言書がない場合、相続人が被相続人の財産を分割するために行われることが一般的で、相続人同士のトラブルを未然に防ぐことができます。
話し合いの内容は、相続人が分割する財産の種類や割合、相続人の順位、負債の分担方法などです。
もし相続人が多数いる場合やトラブル等が起きた場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談すると良いでしょう。遺産分割協議が終了したら、書面にまとめた内容を司法書士に提出し、遺産分割協議書を作成してもらいます。
また、被相続人の遺産がプラスの資産よりマイナスの債務の方が大きい場合には、相続放棄をすることができます。
相続放棄とは、相続の権利「すべて」を放棄することです。
また、相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に行わなければならないので注意が必要です。
❸相続登記
家などの不動産を相続した場合、相続人は所有権を持つことになりますがその所有権を証明するためには相続登記(名義変更)が必要です。
相続登記を行わない場合、所有権を主張することができないので、家の売却や貸し出し、建物の改築や増築などの取引もできなくなってしまいます。
また、複数人で相続する場合には相続人全員の登記を行い、相続人が未成年者である場合は法定代理人が登記を行います。
登記手続きには、相続人の印鑑証明書や相続証明書・登記簿謄本などが必要となり、相続人全員が同意した上で、法務局にて登記申請を行います。
相続登記の手続きは、大変な手間が掛かることが多いため司法書士に依頼するのが一般的です。
費用については、登録免許税(不動産評価額の0.4%)と司法書士へ依頼する場合には、司法書士への報酬が必要になります。
❹売買契約書や土地境界線を確認
相続した家を購入した当時の「売買契約書」や建築時の「建築請負書」などの書類を探しましょう。
また同時に土地境界線の確認も必要です。
土地境界線は、土地の所有権を保護するために重要なもので、境界線が明確に設定されていることで隣接する土地所有者間で紛争が発生することを回避できます。
不動産の売買などの際にも必ず必要になりますので、土地境界線が未確定であれば売却前に測量を依頼しましょう。
亡くなった親の家の【売却の流れ】10ステップ
相続した家の売却までの流れは下記の6つです。
それぞれ一つずつ、詳しく解説していきます。
❶不動産会社へ売却査定を依頼する
❷不動産会社の選定・媒介契約
❸不動産会社の販売活動
❹買主との価格や条件交渉
❺売買契約の締結
➏決済・引渡し
❶不動産会社へ売却査定を依頼する
まず、相続した家がどのくらいの価格で売れそうか、不動産会社の査定を受け、相場を把握しましょう。
査定額は、物件の相場価格に明確な基準がないことや、査定の仕方でも異なるなど、不動産会社によって提示される金額が違う場合がほとんどです。1社だけでなく複数社に依頼し、査定価格や査定の根拠を比較することが大切です。
基本的に、売却価格は所有者が自由に設定することができますが、相場より高すぎる価格で売りに出しても買い手がつきにくく、長い期間売れ残ると不動産の価値を下げてしまうことにもつながりかねません。
また、査定前には空き家の掃除を行ったり、不要なものは処分しておくなど出来るだけきれいな状態にしておきましょう。家に関わる図面や書類なども忘れずに準備しておいてください。
❷不動産会社の選定・媒介契約
仲介を依頼する不動産会社を決める際は、提示された査定価格だけでなく、「こちらの意図を組んでくれるか」「信頼できるか」など不動産会社の対応力などにも注目しましょう。
依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。
媒介契約の種類は3種類あり、1社のみの不動産会社に売却を依頼する場合は「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」、複数の不動産会社に依頼する場合は「一般媒介契約」となります。
不動産売却のための媒介契約としては「専任媒介契約、または専属専任媒介契約」がおすすめです。
「一般媒介契約」
◎複数の不動産会社から広く広告できる
×不動産会社からすると買主がどの会社で購入するか不確実なため、仲介手数料が得られない可能性があり、販売活動に力を入れにくい
「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」
◎空き家の売却できれば必ず仲介手数料を得ることができるので、積極的に販売活動をしてくれる傾向にある
×複数の不動産会社と契約できない
❸不動産会社の販売活動
媒介契約を結んだ後は、売り出し価格を設定し、本格的な売却活動に入ります。
【主な売却活動の例】
・不動産情報サイトへの掲載
・購入希望者への内覧対応
・不動産会社からの報告や提案
購入希望者の内覧対応は、不動産会社に対応を任せるのが一般的です。内覧は売却につながる可能性が高いものなので、事前に掃除をするなどして印象を良くする準備を整えておきましょう。
また、不動産会社に売却を依頼したからと言って必ず買い手が見つかるとは限りません。
不動産会社に直接買い取ってもらうことができる買取や、家を解体して土地として売却するなどの方法もありますので、様々な手段を視野に入れておくといいでしょう。
❹買主との価格や条件交渉
買主候補が購入を希望する場合は、「買付証明書(購入申込書)」が提出されます。
その際に、販売価格よりも低い価格で購入したいという価格交渉や、空き家を解体できないか・引渡し時期を相談できないかなどの条件交渉になることもあります。
その場合、買主候補の反応を教えてもらったり、不動産会社のアドバイスを受けながら、売却するかどうかの判断をしましょう。
買付証明書の提出は、売却を決める重要な機会です。それを逃すと売却期間が延びてしまったり、なかなか売れずに値下げを余儀なくされたりという可能性もありますので、安易に判断しないことが大切です。
❺売買契約の締結
売主と買主候補の間で価格や引き渡し時期などの詳細な条件を取り決めし、不動産売買契約を締結します。
契約時には、売却価格の一部を手付金として買主から受け取り、売主は不動産会社に対して仲介手数料の半額を支払うことが多いです。
買主がローンを利用して購入する場合、審査が通らなかったなどの理由で契約が白紙になる可能性がありますので、受け取ったは手付金はまだ使わないように注意してください。
➏決済・引渡し
売買契約時に決めた日程で「残代金の授受」と「家の引渡し」を行います。
具体的には、買主から手付金以外の残代金を受領し、売主から買主へ空き家の所有権移転登記の手続きと鍵の引渡しをし、売却が完了します。
そのため、引渡し日までに空き家にある荷物等を撤去・処分したり、必要な書類を揃えるなどの準備が必要になりますので、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。
相続した家を少しでも高く売るために
亡くなった親の家を売るための、相続から売却までの流れを解説してきました。
少しでも家を高く売るためには「複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や不動産会社の対応力を比較する」ことがポイントです。
弊社「ジモット」でも、相続不動産の売却に関する査定やご相談を承っておりますので、お気軽にへ相談ください。