コラム
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空き家のこと
2023.10.20 更新

空き家の売却で節税につながる特別控除特例とは?わかりやすく解説!

日本国内では空き家が増え続けており、空き家を放置することで倒壊の危険や周辺環境にも悪影響を及ぼすなど、空き家の問題が深刻化しています。

この空き家増加を抑制するため、平成27年に「空き家対策の推進に関する特別措置」が施工され、平成28年の改正により「空き家に係る譲渡所得3,000万円特別控除の特例」が導入されました。

相続等で取得した空き家の放置を防ぎ、売却しやすくするための特例です。

今回は、空き家を売却する際に利用できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」について、また特例を受けるための確定申告について解説します。

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

通常、不動産を売却して利益が生じた場合には譲渡所得税がかかりますが、空き家の売却の場合は一定の要件を満たすと「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用されます。

この特例が適用されると譲渡所得から3,000万円を控除することができ、例えば3,000万円で空き家を売却したとすると特例が適用された場合、税金は0円になります。

この章では、譲渡所得の計算方法と「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用要件について解説していきます。

譲渡所得の計算式

譲渡所得=譲渡価額 – 必要経費(取得費用+譲渡費用)- 特別控除3,000万円

譲渡価格:空き家の売却価格

所得費用:空き家を購入した当時の費用

譲渡費用:空き家の売却で生じる、仲介手数料などの諸経費

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例適用要件

  • 亡くなられた方が1人で暮らしていた家であること

別荘など自宅以外の不動産には適用されません。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家であること

上記の日付以前に建築された一戸建てに限り、マンションなどには適用されません。

  • 相続から売却までずっと空き家であったこと

空き家であったことを公的に証明するために、被相続人居住用家族等確認書や電気・ガスの閉栓証明書、水道の使用廃止届出書などの書類が求められます。

  • 売却する空き家は耐震基準を満たしているか更地である

耐震基準を満たしていない空き家は、売却の際に基準を満たすように修繕するか、更地にして売却するという条件があります。

 適用期間

  • 特例の適用期限とされる2023年12月31日までの売却であること
  • 相続発生日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却であること

その他適用要件

  • 売却金額が1億円以下であること

売却金額は、家と土地を合わせて1億円以下であることが要件です。また、売却金額には固定資産税の精算額も含めます。数回に分けて売却したり、共有名義の相続のまま売却した際も、その合計金額で判断されます。

  • 親子や夫婦など特別な関係がある人への売却でないこと

特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

特例の適用を受けるには確定申告が必要

特例の適用を受けるためには、必要書類を添えて確定申告をする必要があります。

確定申告は、譲渡の翌年の2月15日から3月15日の間にしなければならず、 必要な書類が多岐に渡るため、申告前に税理士など専門家に相談をするのがおすすめです。

「家屋」または「家屋及び敷地」を譲渡した場合の必要書類

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

・譲渡した不動産の登記事項証明書等で次の3つの事項が確認できるもの

  • 売主である個人が、その不動産を相続や遺贈によって被相続人から取得したこと
  • 建築年月日が昭和56年5月31日以前であること
  • 区分所有建物登記がされている建物ではないこと

・譲渡した不動産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」

※「被相続人居住用家屋等確認書」とは、その不動産が「相続開始の前において被相続人の居住の用に供されていたこと」や「相続後に未利用の状態であること」などの項目について、市区町村長による確認を受けたことを証する書類をいいます。

・耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し

・売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下であることが確認できるもの

 相続後、家屋を解体し「敷地のみ」を譲渡した場合の必要書類

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

・譲渡した不動産の登記事項証明書等で、「家屋」または「家屋及び敷地」を譲渡する場合と同様の3つの事項が確認できるもの

・譲渡した不動産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」

・売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下であることが確認できるもの

必要書類の入手方法

確定申告に必要な書類は、それぞれ下記で入手できます。

取得するまでに手続きや一定期間が必要な場合もあるため、スケジュールに余裕を持って入手を行いましょう。

譲渡所得の内訳書:最寄りの税務署または国税庁ホームページからダウンロード

登記事項証明書:法務局

被相続人居住用家屋等確認書:空き家の所在地市区町村

耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書:指定確認検査機関や国に登録された評価機関等

売買契約書:売買契約時

 老人ホームに入居の場合も特例の適用が受けられる

平成31年度の税制改定により、空き家にお住まいになっていた方が老人ホームに入所されてから、空き家を残して亡くなられた場合においても「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」適用対象となりました。

適用には、下記の要件を満たしている必要があります。

老人ホーム等入所者の特例適用要件

①特定事由によりその家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、引き続きその家屋がその被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと。

②特定事由によりその家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、その家屋が事業の用、貸付けの用又は被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。

③被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前までの間において、被相続人が主としてその居住の用に供していたと認められる家屋がその老人ホーム等であること。

※「特定事由」とは下記のことをいいます。

・介護保険法に規定する要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人その他これに類する被相続人が、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅等に入居等をしていたこと。

・一定の障害者区分の認定を受けた被相続人が、障害者支援施設等に入居等をしていたこと。

上記の要介護認定等を受けていたかどうかは、特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなる直前において判定します。

空き家は早めに今後の計画を

この記事では、空き家売却で利用できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」についての適用要件とその確定申告について解説しました。

空き家問題は深刻化しており、放置しておくと大きな出費につながってしまう可能性が高いです。

空き家を売却することは、この問題の解決や新たな住宅需要を生み出すことにもつながります。

たとえ売却を決めていなくても、不動産会社は査定や相談を受け付けてくれますので、所有する空き家の現状を把握して早めに今後の計画を立てておくことが重要なポイントです。

弊社「ジモット」でも、空き家売却のご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

ご相談はコチラ(https://jimott.co.jp)から

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