アパートの相続はいつ誰に相談すると良い?相談前に確認しておくことも紹介
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
賃貸アパートを相続することになった場合、どんなスケジュールでどんな手続きが必要になるのでしょうか。
今回のコラムではアパート相続の流れを紹介するとともに、それぞれの内容で相談できる専門家がどこになるのかをご紹介します。
アパート経営を引き継ぐにしても売却するにしても、不明な点や心配な点はぜひ専門家に相談しながら進めて行きましょう。
目次
アパートの相続はいつ誰に相談すると良い?
賃貸アパートを相続する手続きについて、全体的な流れとその際に相談できる専門家についてご紹介します。
【1】遺言書の有無を確認
相談先:家庭裁判所、法務局
まずは遺言書を探します。
自宅で自筆遺言書を見つけた場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所で検認の手続きを受けます。
遺言書が法務局に預けられている場合は、検認の手続きは不要です。
【2】相続人、相続財産の確認
誰が法定相続人であるのかを確認し、相続財産の全体を調査・把握します。
相続財産は預金や現金、建物、土地、証券などのプラスの財産のほか、借金、未納の税金、保証人になっている負債額などマイナスの財産も全て対象となります。
【3】相続放棄、限定承認の手続き
<相続開始から3カ月以内>
相談先:弁護士、司法書士
相続放棄は全ての財産の相続を放棄すること、限定承認は相続するプラス財産の範囲内でマイナス財産を相続することです。
相続時に不明だった借金などが後から出てきて負債を背負わないための手続きです。
相続放棄や限定承認をするには、相続開始から3カ月以内に家庭裁判所へ申し立てが必要です。
【4】準確定申告
<相続開始から4カ月以内>
相談先:税理士
準確定申告とは、相続人が亡くなった年に得た所得について申告・納税する確定申告です。
亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの間に収入があった場合に行います。
期限は相続開始から4カ月以内です。
【5】遺産分割協議
相談先:弁護士、司法書士、行政書士
遺産相続の内容について遺言書がない場合、または遺言書の内容に相続人全員が反対の場合は遺産分割協議によって相続人全員で話し合って決定します。
遺産が現金のみの場合は分割しやすいですが、不動産など分割しにくい財産が含まれる場合は、トラブルになりやすいので注意が必要です。
遺産分割協議をトラブルなく進めるには、弁護士に相談するのもひとつの方法。
遺産分割協議書の作成は、司法書士や行政書士に依頼することもできます。
【6】不動産の名義変更手続き
相談先:司法書士
不動産を相続したら、登記の名義変更手続きを行います(相続登記手続き)。
手続きは自分でも可能ですが、必要書類を揃えたり、法務局へ足を運んだりと手間がかかるため、司法書士に代行してもらうのをおすすめします。
相続手続きに期限はありませんが、名義変更をしていないと売却や修繕などができないため、早めに手続きをしておきましょう。
なお、民法と不動産登記法の改正により、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されます。
申請の期限は、所有権の取得から3年以内となります。
【7】相続税申告・納税
<相続開始から10カ月以内>
相談先:税理士
相続税の納税が必要な場合は、相続開始から10カ月以内に申告・納税します。
相続税の納付は現金一括払いが原則で、遺産分割協議が終わっていなかったとしても期日までに支払う必要があります。
なお、相続財産の総額が基礎控除額以下であれば申告・納付は不要です。
【8】アパートを売却する場合
相談先:不動産会社
相続したアパートを売却する場合は、以下のような流れになります。
- 不動産会社へ相談
- 不動産査定
- 媒介契約の締結
- 売却活動
- 売買契約の締結
- 売却金決済・引き渡し
売却で譲渡益が出た場合は、確定申告をして譲渡所得税を納める必要があります。
相続不動産の売却にかかる税金や税金の計算に関わる減価償却については、以下のコラムで詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
相続するアパートを売却するとどんな税金がかかる?特例が利用できる場合も
アパート相続の減価償却は節税につながる!計算方法も理解しよう。
ジモットでは、不動産売却の無料相談を承っています。
「突然の相続でどうしたらいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
【9】アパートを経営する場合
相談先:管理会社
アパート経営を引き継ぐ場合は、アパートの管理会社へ所有者が変わったことを連絡し、入室状況や収入状況、管理会社との契約状況などを確認します。
状況によっては、これを機会に依頼する管理会社を変更するというケースもあるでしょう。
アパートなど不動産を相続した場合に必要となる手続きは、「アパートなどの不動産を相続したら必要な手続きや流れ」でもご紹介していますのであわせてご覧ください。
アパートの相続を相談する前に確認しておくこと
アパートの相続手続きの流れをご紹介しました。
専門家に相談する前には、まずは以下の3点を確認しておきましょう。
- 遺言書の有無
- 相続財産の把握
- 相続人の確定
また、専門家への相談費用はそれぞれの事務所によって異なります。
具体的な依頼ではなく相談だけなら、相談料は弁護士は1時間1万円程度、それ以外の士業は1時間5,000円程度が目安です。
また、自治体などで無料相談の窓口を設けている場合もあります。
実際に依頼するかどうかの検討も含め、まずは無料相談窓口を利用してみるのもおすすめです。
アパート相続の流れと相談先の専門家をチェック
初めて不動産を相続するときには、どんな手続きが必要かわからず困ってしまうと思います。
それが賃貸アパートであればなおさらです。
アパート相続では、遺言書・相続人・相続財産を確認し、遺産分割協議、名義変更という流れが一般的。
必要に応じて、相続放棄や準確定申告、相続税の申告なども行います。
相談先の専門家としては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などがあります。
アパート相続で専門家へ相談する場合は、遺言書・相続人・相続財産を確認したうえで相談しましょう。
無料相談窓口などもありますので「こんなことを相談してもいいのかな?」という小さなことも、まずは気軽に相談してみてください。
ジモットでは、札幌や札幌近郊の不動産買取・仲介を行っています。
不動産の売却で何かお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。