コラム
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空き家のこと
2023.10.19 更新

空き家の固定資産税を計算しておこう!高額出費につながるリスクやその対策についても解説

こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。

誰も住んでいない空き家でも、毎年税金は課税されます。

空き家に課税される税金は「固定資産税」と「都市計画税」で、登記簿に登記されている所有者に対して課せられるものです。

また空き家は、「特定空き家」に認定されると固定資産税が最大6倍にもなってしまったり、税金以外にも高額な出費につながるリスクを多く秘めています。

今回は、空き家についての固定資産税とその他に想定される出費についても記載しております。

先々のリスクを把握しておくことで、思わぬ出費を防ぐことにもつながりますので、ぜひ最後までご一読ください。

空き家の固定資産税は誰が払う?

固定資産税とは、毎年1月1日時点で住宅や土地などの固定資産を所有する人に課税される税金で、各自治体に納めるものです。

その年の1月1日時点で、登記簿上の所有者として登記されている方が納税義務者であり、空き家に居住していなくても所有者と認められれば支払い義務があります。

空き家の固定資産税はいくら? (計算式あり)

固定資産税は「固定資産税評価額」を元に算出します。

固定資産税評価額とは、固定資産税を決める際の基準となる評価額のことで、各自治体が個別に決定します。

ご自身が所有している不動産の固定資産評価額を調べるには、毎年の固定資産税の納税通知書に付いている「課税明細書」に記載されていますので確認してみてください。

それぞれの計算式は下記です。

固定資産税計算式

固定資産評価額×1.4%

なお、”家が建っている”住宅用地に関しては下記のような減額特例が設けられています。

空き家を取り壊して更地にしてしまうと適応になりませんのでご注意ください。

【住宅用地の減額特例】
区分 固定資産税の計算式
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税評価額×1/6×1.4%
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 固定資産税評価額×1/3×1.4%
建物がない空き地(更地) 固定資産税評価額×1.4%

計算例

面積が200㎡の住宅用地で、固定資産税評価額が土地1,000万円・建物500万円の合計1,500万円の場合、固定資産税は35,000円です。

1,500万円×1/6×1.4%=35,000円

建物がない空き地(更地)の場合は減額特例が適用にならず、計算式が土地評価額1,000万円×1.4%になりますので、固定資産税額は140,000円となり、金額に大きな違いが出ます。

1,000万円×1.4%=140,000円

空き家の都市計画税はいくら?(計算式あり)

都市計画税とは、毎年1月1日時点で所有する土地・建物が市街化調整区域にある場合に、固定資産税とは別に課税される税金のことです。

各市町村に納めるもので、道路建設や上下水道の整備など、都市計画事業・土地区画整理事業を目的とした工事に充てられます。

こちらも固定資産税と同様に「固定資産税評価額」を元に算出します。

都市計画税計算式

固定資産税評価額×0.3%

0.3%という税率は自治体によって異なる場合がありますが、0.3%を超えることはありません。

また、住居用として使用している不動産には軽減措置が適応されますが、事業用アパートなどは対象外となります。

こちらも固定資産税と同様、住宅用地であれば下記のような減額特例があります。

【住宅用地の減額特例】

区分 都市計画税
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税評価額×1/3×0.3%
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 固定資産税評価額×2/3×0.3%
建物がない空き地(更地) 固定資産税評価額×0.3%

計算例

面積200㎡で評価額1,500万円、都市計画税は15,000円です。

1,500万円×1/3×0.3%=15,000円

固定資産税を払わないとどうなる?

固定資産税や都市計画税を払わず、滞納し続けると下記のようなリスクがあります。

延滞金が発生

固定資産税は、納期限の翌日から延滞金が発生し、納期限を過ぎた日数分だけ延滞金がかかります。

また、延滞金の利率は納期日から1カ月が経つとさらに高くなるように設定されており、放置すると高額になってしまうリスクがあります。

財産差し押さえ

さらに滞納を続けると、土地や建物を差し押えられたり、財産調査が行われて給料や預貯金口座にまで差し押さえが及ぶ場合もあります。

もちろん、何の連絡もなくいきなり財産差し押さえが実行されることはありません。納期限後20日以内に催促状が発送され、それでも納税が無い場合は署名や電話、訪問等で支払いの催促が行われます。

事情があって納税が難しい場合は、分割納付や減免・猶予など相談したり、不服申し立てをすることもできますので、払えないからと言って放置しないことが重要です。

特定空き家指定で固定資産税が最大6倍に

近年、空き屋の放置が増加していることで様々なトラブルが報告され、社会問題となっています。

この問題を解消するため、2015年に空き家対策特別措置法が制定され、行政は「特定空き家」に認定された空き家の所有者に対し、指導や勧告、命令等を行うことができるようになりました。

特定空き家に指定されると、固定資産税・都市計画税の住宅用地減額特例の適用が受けられなくなり、翌年の固定資産税が最大で6倍、都市計画税は最大3倍支払うことになってしまいます。

勧告を受けた年内に空き家の状態を改善し、特定空き家の認定を解除できれば、固定資産税の支払い額は増えません。

さらに空き家の改善命令があった場合には、助言・指示・勧告よりも重く、命令背くと50万円以下の罰金が科されます。

命令をうけても改善が見られない場合は、行政が所有者に代わり対処し、樹木の伐採や建物の解体等高額の費用を請求される「行政代執行措置」になってしまうリスクもあります。

実際に行政代執行措置によって特定空き家が解体された事例は数多くあります。

特定空き家に認定される空き家の条件

下記4つのいずれかに該当するものが特定空き家にあたると定められています。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

この他にも、それぞれの状態に応じて適切に判断され、特定空き家に指定される場合がありますので、あくまで一例としてご参照ください。

特定空き家の指定を取り消すには?

特定空き家に指定された場合、その要因となった状況を改善することで指定を解除してもらうことができます。

倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある状態の場合は、建物を解体や大規模な修繕が必要になる可能性が高いですが、衛生上有害となるおそれのある状態や景観を損なっている状態の場合は、ゴミを撤去したり雑草や立木を伐採したり、問題となっている部分を改善して適切な状態にできるよう努めましょう。

特定空き家に指定されたときの措置や対応策

特定空き家に指定されたからと言って、すぐに罰則が科されるわけではありません。それぞれの段階毎に一定期間の猶予がありますので、その期間内に改善できるよう対策することが大切です。

特定空き家については特定空き家とは?指定される条件や注意点・対策をまとめて解説!にて詳しく解説しておりますのでご参照ください。

(記事はコチラ→https://s-plushome.jp/column/unoccupiedhouse/specific_vacanthouse.html

空き家の固定資産税対策はある?

所有しているだけで税金が掛かることはもちろん、管理手間や維持費などの出費がかさみます。

所有を続けるにしても今後の対策や売却計画等をしっかりと検討しておくことをオススメします。

対策としてあげられる4つを、ひとつずつ解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

❶賃貸として活用

❷家を解体して、土地として活用する

❸売却する

❹買取を依頼する

❺空き家バンクに登録する

❶賃貸として活用する

空き家がそこまで傷んでいない状態の場合であれば、賃貸として活用できる場合があります。

家賃収入が入りますし、人が住むことで目が行き届き、建物の劣化や老朽化のスピードも遅くなるメリットがあります。

築年数の古い家には借り手がつかないと思いがちですが、あえて築年数の古い家を選んでスローライフを送りたいと考える人も近年増えていますので、先入観で決めつけず、不動産会社に相談してみるのをおすすめします。

また、低所得者用の賃貸として貸し出すことで補助金を受けられる「家賃低廉化補助制度」を利用できる場合もあります。

適用には条件がありますが、基準をクリアする住宅であれば国・自治体から最大月額4万円の補助金を最長10年間受けることができます。

❷家を解体して、土地として活用する

解体費用の出費はありますが、空き家がなくなる分、管理の手間や特定空き家に認定されるリスクは回避できます。

さらに、土地に活用できるような要素があれば、駐車場経営や建て貸しなどで収益を上げることができるかもしれません。

ただし前章でも解説した通り、空き家の解体により住宅用地特例の適用がなくなるため、固定資産税が高くなりますので頭に入れておく必要があります。

❸売却する

空き家を売却することで、その後の管理手間や固定資産税等の維持費もかからなくなるメリットがあり、条件のよい空き家であれば売却益を得られる可能性もあります。

通常、不動産を売却して利益が出ると売却益に対して税金が掛かりますが、一定の条件を満たす空き家の場合は非課税となる優遇措置もあります。

また、売却する場合には「そのままの状態で売却」「リフォームして売却」「解体して土地として売却」などいろいろな方法がありますので、状況に合わせたベストな方法を不動産会社に相談するといいでしょう。

❹買取を依頼する

空き家が売りにくい立地であったり、売りにくい条件がある場合は不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。

買い手を探す必要がないので、価格の折り合いが付けばすぐに不動産会社へ売却でき、お金を得ることができますが、条件によっては買取を断られるケースもありますので、何社か探してみるとよいでしょう。

❺空き家バンクに登録

空き家バンクとは、空き家を活用したい人と管理者を探している人を結びつけるマッチングサービスです。空き家を売りたい人と買いたい人をマッチングさせる空き家バンクもあります。

自治体が運営している空き家バンクや、アットホームやライフルホームズなどの不動産情報サイトで運営しているものがあり、それぞれ自宅から全国の空き家情報を調べることができます。

ただし各自治体の場合は、売買契約や仲介に一切関与しないので、トラブルを防ぐためには仲介業者に入ってもらうのが安心です。

所有する空き家をどうしていくか、今後の計画を立てておこう

現在増え続けている空き家は社会問題にもなっており、固定資産税・都市計画税の出費はもちろん、放置しておくと大きな出費につながってしまう可能性が高いです。

売却を決めていなくても、不動産会社は査定や相談を受け付けてくれますので、所有する空き家の現状を把握して早めに今後の計画を立てておきましょう。

弊社「ジモット」でも、空き家売却のご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

ご相談はコチラ(https://jimott.co.jp)から

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