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2023.10.19 更新

相続したアパートの立ち退きを成功させるには?交渉の仕方やコツについて解説

こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。

アパート経営をする上で、入居者の立ち退きについては頭にいれておきたい知識の一つですよね。

入居者がいるアパートを相続したという方も同様と思います。

築年数が古くなってきたアパートや相続したけど不要なアパートなどは、早期に売却してしまうのが得ですが、難しいのは入居者の扱いです。

今回の記事では、アパート入居者の立ち退きについて、流れや交渉の仕方・注意点等をまとめています。

立ち退きは、大きなトラブルや多額の出費にもつながりかねないので、しっかり理解しておきましょう。

立ち退きには正当な理由と入居者の合意が必要

日本では借地借家法により入居者の権利が強く保護されているため、正当な理由がない限り貸主側からの解約はできないことになっています。

賃貸借契約の種類が定期借家契約である場合には、事前に定めた契約期間が過ぎれば解約されますが、一般的な賃貸借契約の場合は、貸主側から解約を申し出るには「正当の事由」が必要です。

正当な事由とは、立ち退きを要求するもっともな理由のことで、下記のような理由があげれます。

【正当事由の例】

・建物の使用と必要とする事情があること

・債務不履行などの従前の経過

・老朽化しているなど建物の現況

・建物の明け渡しを条件として財産の給付(立退料の支払い)を行うこと

立ち退き交渉の流れ

立ち退きの交渉は、多額の立ち退き料を請求されたり、立ち退きの裁判を起こされたりなど、難航する可能性があります。

だからこそ、まずはじめに「立ち退きの流れ」を把握しておくことが大切です。

最終的な立ち退き完了日程から考えて、立ち退き交渉のスケジュールを決めていくことで、起こりうるトラブルにあらかじめ手を打つことができます。

立ち退き交渉の流れは下記の通りです。ひとつずつ解説していきます。

【立ち退き交渉の流れ】

  • 賃貸借契約を更新しない旨の通知を送る
  • 具体的な立ち退き交渉を行う
  • 立ち退き合意書の作成

賃貸借契約を更新しない旨の書面を送る

基本的に貸主側からの正当事由による解約通知は、解約日の6か月前に行わなければいけません。

通知は必ず書面で行う必要があり、書面で通知した記録を残しておくためにも、内容証明付きの書面で送ることをおすすめします。

突然貸主から賃貸借契約の更新をしない旨の書面が届くことで、感情的になってしまう入居者が出てくる可能性もありますので、前もって口頭で知らせておくなどの配慮をすると良いでしょう。

具体的な立ち退き交渉を行う

立ち退きは、書面で通知を送れば完了というわけではありません。入居者のもとを訪問して、立ち退きを求める「正当事由」を伝える必要があります。

貸主側の主張を伝えることに意識がいきがちになりますが、入居者側の事情をよく聞くことも大切です。

入居者側が引越しを決断するにあたって、何が問題になっているのかを見極め、その問題を1つずつ解決することが立ち退きへの近道です。

また、交渉時には解約の期間や立ち退き料、引っ越し費用などの交渉も行わなければいけません。

立ち退き交渉では、貸主側の説明に嘘や隠し事があると、交渉の失敗やトラブルにつながる可能性が高くなりますので注意してください。

立ち退き合意書の作成

入居者と立ち退きについて合意できた場合、のちのトラブルを避けるために合意内容を書面に残しておくことが大切です。

合意書には、立ち退き料の支払い時期や明け渡し日、明け渡しに伴う費用の負担額等を明記しておく必要があります。

【立ち退き合意書の記載事項例】

・賃貸借契約解約の合意

・明け渡しまでの猶予期間

・残存物の取り扱い

・立退料

・契約終了後の期間に対応する使用損害金

・敷金の返還

【立ち退き交渉】契約期間満了の1年前~6カ月前に勧告!

貸主の都合で入居者に立ち退きを要求する場合は、賃貸契約の契約期間満了の1年前から6カ月前までに勧告し、交渉を始める必要があります。

6カ月前を過ぎてから勧告をしても立ち退きを認められない場合がほとんどなのと、「正当事由があれば、必ず立ち退いてもらえる」わけではありませんので、そこを踏まえて交渉にあたりましょう。

【立ち退き料】家賃の半年~1年分が目安

入居者は、立ち退くことになれば新居への引越し費用など様々な費用が必要になります。

そのことを踏まえて、立退料に明確な決まりはありませんが下記2パターンが一般的です。地域の慣習によっても異なるケースがあるので、事前に確認しておきましょう。

立退料の目安

・家賃の6カ月分~1年分

・新居へ入居するための費用全額(保証金・敷金礼金・仲介手数料など)

入居者側に債務不履行がある場合や、アパートの老朽化がひどい場合などは、交渉次第でもっと安い価格で済むこともあります。

また、あくまで上記の立退料は目安です。

立ち退きを求める理由や、貸主や借主の事情によって大きく変動し、場合によっては多額の立退料になってしまう場合も少なくありません。

実際に立ち退き交渉をする場合は、不動産問題に詳しい不動産会社や弁護士へ相談してから行うのが良いでしょう。

アパートの立ち退き交渉を円滑に進めるために

入居者が立ち退きをしやすいようなサポートをすることは、立ち退きを円滑に進めるのに役立ちます。

この章ではそのサポートとしてできることをご紹介します。

  • 立退料は期日までに退去した入居者を対象に
  • 引越しに必要な資料等を用意する

 立退料は期日までに退去した入居者を対象に

引っ越し作業は、手間や労力をつかうため後回しにしてしまいがちで、結局立ち退き期限を守ってもらえないという場合も少なくありません。

立ち退き料を期日までに退去した人だけに支払うという内容で合意をしておくことで、立ち退きのタイミングを早めることが出来るのでおすすめです。

 引越しに必要な資料等を用意する

古いアパートには高齢の入居者も多く、引越し先の物件を探すのも一苦労です。

入居者側の希望も踏まえ、賃貸物件の資料を用意したり引越しプランの用意など、出来ることのサポートを心掛けましょう。

【最終手段】立ち退き交渉が難航した場合

アパートの立ち退きは、たとえ十分な立退料を提示したとしても上手くいかない場合があります。

中には、最後まで合意が得られず居座る入居者が出るケースも少なくありません。

このように立退料を提示しても、立ち退きをしてくれない居座り入居者がいる場合には、建物明渡請求訴訟を裁判所に提訴できます。

裁判所が双方の事情を聞き、明け渡しが妥当か否かを判断します。

アパートの退去を命じる旨の判決が出たり、和解が成立したにも関わらず、引き続きアパートに居座るような場合には、強制執行をすることも可能になります。

立ち退き交渉は代行がオススメ

このように立ち退き交渉は、正当な事由や入居者側の過失による立ち退き要求でも、なかなか応じてもらえないなど難航することも多いものです。

最悪の場合、裁判沙汰になってしまったり多額の立ち退き料を払うはめになってしまったりと、労力をかけても円満に解決するとは限りません。

そのようなことを踏まえると、立ち退き交渉は不動産会社や弁護士に代行してもらうのがオススメです。

不動産会社によっては、立ち退き後の立て替えや売却仲介で収益が見込めるため、立ち退き交渉の費用を請求しないケースもありますが、弁護士へ依頼する場合は立ち退き交渉の費用が必要となります。

当事者同士で交渉するよりも、第三者が入ることで情などの感情を入れずに交渉を進められたり、早く話がまとまったりなどのメリットがあります。デメリットとしては手数料があげれらますが、トラブルや交渉の煩わしさを考えると賢い選択といえるはずです。

弊社「ジモット」でも、アパートの入居者立ち退きや売却についてのご相談を承っておりますので、お気軽にお問合せください。

ご相談はコチラ(https://jimott.co.jp)から

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