離婚時にマイホームはどう財産分与する?売却の流れや節税について解説
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
離婚することになり、財産分与を行なう際に家の売却をどうしたらよいのか迷っている人もいるのではないでしょうか。
離婚時に家の売却をする場合や状況別の査定方法を紹介します。
財産分与の流れやポイントも解説しますので、これから離婚を予定していて今まで住んでいたマイホームなどの所有不動産の財産分与について検討中の方は、参考にしてください。
目次
まずは家の査定が必要な理由
離婚時に発生する財産分与。
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦が協力して築いた財産を分け合うことです。
基本的には半分ずつ財産を分けますが、状況によっては異なる場合もあります。
どちらにしても、その財産の価値をきちんと把握してお互いに分配することが必要となるため、まず行うのが家の査定です。
財産分与は、現金や預貯金のほか、有価証券や車、家具なども含まれます。
そして、一緒に住んでいたマイホームや土地等の不動産も当然財産分与の対象に含まれます。ですが、これらは貯金のように「いくらです」と単純に分けることができませんよね。
査定を行って現在の価値を知ることで、分配したらよい金額を知ることができます。
家を売却する場合も、夫婦どちらかの所有にして財産を分配する場合も、査定は必要となります。
売却を検討したい場合は現地での査定が大切
では早速査定をしてみたいという場合、どう進めていけばよいのでしょうか。
査定には簡易査定(机上査定)と訪問査定(現地査定)の2種類の方法があります。
簡易査定(机上査定)
物件の大きさ、築年数、公示価格(土地鑑定委員会が公表している土地価格のこと)、近隣地域での販売実績など大まかな条件をもとに、ざっくり目安となる価格を出します。
こちらは現地での調査もしません。
基本的には書類の提出も無く査定額を出す事ができますが、条件だけでは査定額が出せない場合には不動産業者から書類を求められる場合もあります。
訪問査定(現地査定)
実際に売却予定の物件へ訪問して査定を行います。
訪問査定では、敷地と隣地の状態などの周辺環境や、室内や設備の使用や改修状況、日当たりなど、物件の状態を詳しく見て反映した査定額を算出します。
そのため、簡易査定と比べるとより細かな条件で価格を出すことができます。
実際に売却を行う際にはこの訪問査定を必ず行います。
また、訪問査定では精度の高い査定を行うために用意しておく書類がいくつかあります。
・登記簿謄本
・公図
・建物の図面
・登記識別情報、または登記済権利書
・身分証明書
・印鑑証明書
証明書以外は、契約時にまとめてもらっている事が多いので、探してみましょう。
不動産会社によって必要な書類が異なる場合がありますので、事前に相談しておくのがよいです。
自分の所有物件の査定を依頼する際に、すぐに目安を知りたいだけなら簡易査定で充分です。
逆に実際の売却価格を検討したい場合は、訪問査定を依頼ししっかりと査定額を出しておく方が良いでしょう。
ただし、現地での査定の場合は、査定額が出るまでに日数がかかりますので、余裕をもって依頼することをおすすめします。
土地の現在の相場が査定額に直接反映される
土地の査定額については周辺環境の相場で決めるのが基本となります。
札幌の土地相場は2022年現在、全国的にもトップクラスで上昇傾向にあります。
令和3年の札幌市地価動向報告書によると、
住宅地は 4.3%上昇(7.1%上昇)、商業地は 2.9%上昇(10.2%上昇)となりました。
住宅地については、全ての区で上昇となりました。
また、北区、白石区、厚別区、手稲 区においては、5.0%を超える上昇率となりました。
商業地についても、全ての区で上昇となりました。
令和3年札幌市地価動向
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/documents/r03tikakouzigaiyou.pdf
過去に査定を行ったことがあり、そのまま売却しなかった場合でも査定はもう1度やり直す必要があります。
数年前では土地と建物で1500万円程度の査定額だったのが、周辺の地価が上昇して2000万円に跳ね上がった・・・というケースもあります。
離婚時の住宅財産の注意点
住宅ローンが残っている場合、離婚前に完済することが望ましいです。
残債が残っていると家にローンの担保として抵当権が設定されています。
そのため、金融機関の許可なく名義を変更することができません。
抵当権は、とてもトラブルになりやすいです。
住宅ローンの残った状態でローンの名義人が家を出て行ったとしても、その債務者が名義変更をしない限り例え住んでいなくてもローンの返済義務はなくなりません。
もし支払いが滞って金融機関に抵当権を行使されたら、財産分与された物件であったとしても、家を競売にかけられて出ていかなくてはならなくなる可能性があります。
そのため、住宅ローンの債務者でない人が家を譲り受ける時には、ローンの残金を完済するか、家を譲り受けた人へ債務者を変更する事が良いのですが、そういはいっても、ローンを完済する現金がある事は少ないですし、財産分与を受けた側に債務者を変更する事を嫌がられるケースもありますので、売却で現金化した上で分配するのが簡単でしょう。
できるだけスムーズに問題なく離婚を進めたい場合は、売却するのがおすすめです。
売却の流れ
実際の住宅の売却の流れは以下になります。
1.不動産仲介会社に査定を依頼する
2.不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
3.売りに出す
4.購入希望者と交渉、売買契約
5.決済
6.家の引き渡し
不動産を仲介業者を通して一般個人に売りに出す場合は、すぐに現金化ができるわけではありません。スケジュール的にも余裕をみておきましょう。
もし、どうしてもすぐに現金が必要だという場合には、業者買取という選択肢もあります。査定の際に、どのような方法を取るのが良いか相談してみましょう。
住宅売却の利益は節税できる場合がある
家の売却で得た利益(譲渡所得といいます)には税金が発生します。これは確定申告をすることにより、節税できる場合があります。
譲渡所得は、「譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用」で求められます。
契約印紙や仲介手数料、家のリフォーム費用などは取得費として計上できますし、売却時の仲介手数料や補修費などは譲渡費用として計上できます。
細かく正確にしっかりと計上することで、譲渡所得を下げて税金を抑えることが可能になります。
また、譲渡所得にかかる税金は次の方法でも節税をすることができます。
3,000万円特別控除
10年超所有軽減税率の特例
居住用財産の買換え特例
「3,000万円特別控除」は、一定条件を満たす家の売却の際に、3,000万円までの譲渡所得税を控除する制度です。
「10年超所有軽減税率の特例」は、10年を超えて所有していた家を売却するときに、譲渡所得税に軽減税率を適用できる制度です。
こちらは3,000万円特別控除と併用できるため、大きな節税効果を期待できます。
また、離婚で家を売却して新しい家に買い替えるケースでは「居住用財産の買換え特例」が適用となります。これは、2023年12月31日までの譲渡が条件ですが、所有期間が10年を超える一定条件を満たした家を売却して住み替える場合に、適用させる事が可能です。
入居者の立ち退きが必要な場合
もし、マイホームを賃貸にだしていて他の人が住んでいるケースで売却を検討したい場合には、当然ながら入居者に出て行ってもらう必要がでてきます。
立ち退き勧告は売却の1年前~半年前に立ち退き料を支払って行いますが、そう簡単に全員が期間内に出ていく訳ではありませんので、プロに相談しながら進めるのがよいでしょう。
まずは査定して財産分与の額を算出しよう
離婚時の財産分与として家の売却について解説しました。
トラブルを招きやすい離婚時の財産分与ですが、なるべくストレスなくスムーズに進められるようしっかりと準備をしましょう。
ジモットでは、札幌や札幌近郊の住宅の無料査定を行っています。
ちなみに ジモットでは立ち退き交渉を得意としていますので、まずはご相談ください。
売却を検討している方は、是非お気軽に査定をご依頼ください。