アパート売却の7つの手順を詳しく解説!気になる注意点も。
こんにちは、札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
今回はアパートの売却を検討中の方へ、売却にかかる全体の流れと7つの手順、失敗しないための注意点を詳しく解説してきます。
不動産売却の中でも、アパートの売却は大きなお金が動く取引です。手順事にやるべきことや注意しなくてはいけないポイントはしっかり抑えて、スムーズで失敗のないアパート売却を実現させましょう。
価格査定依頼
アパート売却は、不動産会社へ仲介を依頼して買主を探す方法が一般的です。まず、アパートがどのくらいの価格で売れそうか、不動産会社の査定を受けましょう。
査定額は、不動産会社や査定方法によって異なるため、より正確な査定してもらうためには、1社だけでなく複数社に依頼し、査定価格や査定の根拠を比較することが大切です。査定してもらうことで相場価格を把握できるほか、不動産会社の対応力なども見極めることができます。
注意❶
相場よりも高い査定金額を出して、依頼を受けようとする悪質な不動産会社もあるため、査定価格だけでなく査定の根拠についても必ず確認しましょう。
注意❷
不動産会社が直接購入してくれる「買取」もありますが、相場よりも安くなってしまいますので、急いで売りたい場合以外はおすすめしません。
注意❸
査定調査は、アパートに入居者がいる状態でもできますし、売却を迷っていて価格だけでも知っておきたいなどの場合でも受けることができます。
不動産会社の選定
複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定が出揃ったらどの会社に売却を依頼するか選定しましょう。選定の際のポイントは下記です。
・アパート売却の実績があるか
・売却活動について幅広いアイディアを持っているか
・的確なアドバイスをしてくれるか
・依頼者(売主)の意向を聞いてくれるか など
特に、アパートの購入を検討する主な買主候補は「不動産投資家」になりますので、居住用不動産の売却等とは買主のターゲット層が異なります。アパート経営に関する知識も必要になってくるため、アパートを売却した実績がある不動産会社と担当者を選ぶことが大切です。
不動産会社との媒介契約締結
不動産会社の選定をしたら、その会社と媒介契約を結びます。売り出し価格や売却時に不動産会社へ支払う仲介手数料、売却に向けた活動の方針や内容もこの契約を通じて決めます。
媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つに分かれます。
1社のみの不動産会社に売却を依頼する場合は「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」、複数の不動産会社に依頼する場合は「一般媒介契約」となります。
アパート売却のための媒介契約としては「専任媒介契約、または専属専任媒介契約」がおすすめです。
複数の不動産会社に重ねて依頼ができる「一般媒介契約」には広く広告できるというメリットがありますが、不動産会社からすると買主がどの会社で購入するか不確実なため、仲介手数料が確実に得られるとは限らず、販売活動に力を入れにくいというデメリットがあります。
その点、1社の不動産会社のみが取り扱う専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合は、アパートの売却できれば必ず仲介手数料を得ることができるので、積極的に販売活動をしてくれる傾向にあります。
それぞれにルールや特徴がありますので、下記の表でご確認ください。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
複数の不動産会社と契約できるか
|
×
できない |
×
できない |
○
できる |
自身で買主を探して直接契約できるか | ×
できない |
○
できる |
○
できる |
不動産会社からの業務処理状況の報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし
(報告を求めることは可能) |
媒介契約の有効期間
|
3か月以内 | 3か月以内 | 制限なし
(行政指導は3か月以内) |
不動産情報ネットワークシステム「レインズ」への登録義務 | 契約締結の日から
5日以内 |
契約締結の日から
7日以内 |
義務なし
(任意での登録は可能) |
不動産会社の売却活動
媒介契約を締結したら、不動産会社と相談のうえ売り出し価格を決め、物件を不動産情報サイトに掲載するなどの売却活動に進みます。
アパートの情報が開示されるため、購入検討者の内覧にも対応することになります。不動産会社にアパートの鍵を渡し、アピールポイントなどを伝えて内覧の対応を任せても問題ありません。買主候補は、不動産のプロでない一般の方の場合も多いので、事前に掃除をするなどの準備をしておきましょう。
買主候補が購入を希望する場合は、「買付証明書(購入申込書)」が提出されます。その際に、販売価格よりも低い価格で買付証明書が提出されるなど、価格交渉や条件交渉になることもあります。その場合、買主候補の反応を教えてもらったり、不動産会社のアドバイスを受けながら、売却するかどうかの判断をしましょう。
購入検討者の内覧があっても決まらなかった場合は、不動産会社に理由を確認し、次の内覧までに対策しておくとよいでしょう。
買主との売買契約締結
売主と買主候補の間で価格や引き渡し時期などの条件に合意をしたら、不動産売買契約を締結します。
売買契約は、一般的に売主・買主・それぞれの担当不動産会社が集まって行い、重要事項説明書などの読み合わせ、署名捺印を行います。
売買契約が成立すると、買主から手付金を受け取り、売主は引き渡しの準備を始めることになります。買主がローンを利用して購入する場合、審査が通らなかったなどの理由で契約が白紙になる可能性があり、その際は手付金を返却する必要があるので、まだ使わないように注意してください。
不動産会社からも事前に通知されますが、売主として用意する書類は下記の通りです。
・身分証明書
・印鑑登録証明書
・登記識別情報通知
・収入印紙
・固定資産税評価証明書(引き渡し時期により)
アパートの住宅ローンの返済残高がある場合には、売買契約で確定した「引き渡し日」を銀行に連絡します。引き渡し日には、住宅ローン返済と同時に抵当権抹消の手続きが必要になるので、事前に必要書類などの確認をしておいた方がよいでしょう。
また、引渡し日に向けて水道光熱費など契約の解除が必要なものがあれば手続きが必要です。
アパートの決済と引渡し
売買契約後の決済は「残代金の授受」と「アパートの引渡し」を行うもので、買主が住宅ローンを借り入れる金融機関等にて、買主・売主・不動産会社・司法書士などが集まって行うのが一般的 です。
具体的には、買主から手付金以外の残代金を受領し、固定資産税や管理費等の清算を行うと同時に、売主から買主へアパートの所有権移転登記の手続き、アパートの鍵の引渡しをします。ここでは、不動産会社への仲介手数料と司法書士への報酬の支払いも済ませることになります。
決済当日中に司法書士が登記申請手続きを行い、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)に売買の記載がされます。
また、上記でも説明しましたが、ローン残高がある場合は返済と同時に抵当権抹消を行うことで、アパート売却は終了です。
ここで注意が必要なのは、売却アパートの入居者の取り扱いです。入居者との不動産賃貸借契約は、物件を売却して所有権移転登記を行うと新オーナーへ引き継がれます。
そのため、新オーナーが家賃等の条件に変更をせず引き継ぐのであれば、不動産賃貸借契約書をそのまま引き渡します。
また、敷金や保証金などを預かっている場合は、下記3つの方法があります。
・預かっている敷金や保証金等をそのまま新オーナーに引き継ぐ
・入居者に返却し、新オーナーに改めて預けてもらう
・売買代金で相殺する
のちのちトラブルにならないよう事前に不動産会社と相談して決めておきましょう。
確定申告
不動産を売却した場合は、売却した年の翌年2月頃から3月頃までに確定申告をします。確定申告が必要なのは、売却益がある場合と、売却損の損益通算を受けたい場合です。
アパート売却で譲渡益が出た場合(つまり購入価格より売却価格の方が高かった場合)は、給与所得とは別に計算される「譲渡所得」とされ、所得税や住民税が課税されます。
逆に譲渡損失があった場合は、一般的に確定申告は不要ですが、同年中にその他の不動産を売却して発生した譲渡益や譲渡損失があれば通算することができますので、確定申告が必要になります。
確定申告を怠ると追徴課税が加算されたり、意図的に利益を隠蔽するようなことをすると重加算税を課せられることになりますので、確定申告はしっかり行いましょう。
まとめ
このようにアパートの売却にはそれなりの時間や労力が掛かります。売却を検討しはじめたらまず、信頼できる不動産会社に相談しながら、売却タイミングや方法を見極めていくことが大切です。
売却を決めたら、今回解説した流れと手順をふまえながら、失敗のない売却を実現しましょう。
弊社「ジモット」でも売却のご相談や査定を承っておりますので、お気軽にご相談ください。