アパートの贈与と相続って?税制と注意点
こんにちは。札幌の不動産会社「ジモット」の髙橋です。
アパートを贈与あるいは相続することは、一見すると財産を増やすための良策と思われがちです。
確かに、それらは財産を家族や親族間で移転する効果的な手段であり、適切に行えば一定の税制上の利点が得られることも事実です。
しかし、一方でこれらの選択には潜在的なリスクや注意点も存在します。
例えば、アパートを贈与すると、贈与税が発生します。
また、受け取った側がアパート経営を続ける場合、その運営に必要な知識や経験、資金を持っていなければなりません。
また、相続の場合は、相続税の問題があります。
さらに、遺産分割の際のトラブルが起きる可能性も無視できません。
こうしたリスクを理解した上で、アパートの贈与や相続を検討することが重要です。
それにより、より良い選択肢を選び、将来的に安定した運営や資産管理を行うことが可能になります。
本記事では、これらの選択肢のメリット、デメリット、そして売却という選択を検討することの重要性について詳しく解説していきます。
贈与税と相続税の仕組みと違い
贈与税と相続税の仕組みとその違いについて解説します。
まず、贈与税とは贈り物をする際にかかる税金です。
アパートを贈与する場合、その評価額に応じて贈与税が発生します。
2023年現在、110万円を超える贈与は全額が贈与税の対象となり、その税率は10%から55%までとなっています。
ただし、贈与者と受贈者の関係や贈与の目的により、税額控除が適用されることもあります。
一方、相続税とは、ある人が亡くなったときに、その遺産を受け継ぐ者が支払う税金です。
アパートを含む遺産の総額が基礎控除(現在、3000万円+相続人1人あたり600万円)を超える場合、相続税が発生します。相続税率は10%から55%となります。
これら二つの税金は、贈与時期や贈与者と受贈者の関係、贈与物件の価値などによって、その計算方法や税率が異なります。
どちらの税制も複雑であり、適切な税務対策を行わなければ大きな税負担につながる可能性があります。
アパート贈与のメリットとデメリット
メリットとして最も大きいのは、相続税対策です。
贈与により財産を事前に分けることで、相続発生時の遺産価額を減らし、相続税負担を軽減することができます。
また、アパートの管理や運営についてのノウハウを生前に贈与を受ける方へ伝えることで、スムーズな事業継承を図ることが可能です。
しかし、一方でデメリットも存在します。
まず、贈与すると贈与税が発生します。
大きな価値を持つアパートを贈与すると、その税額は決して小さなものではありません。
また、贈与を受けた側がアパート経営に必要な知識や経験を持っていない場合、予想外の困難に直面する可能性がありますし、アパートの維持管理費や固定資産税などのランニングコストについても検討する必要があります。
以上のように、アパートの贈与は一定のメリットをもたらす一方で、税金の問題や運営の難しさなどのデメリットもあります。
それらを踏まえたうえで、最善の選択を行うことが求められます。
アパート相続の注意点
アパートを相続するということは、資産だけでなく借金や維持管理の責任、固定資産税の支払い義務なども相続するということです。
つまり、相続は必ずしもプラスとは限らず、経済的負担や時間的な負担を増やす可能性もあるのです。
特に注意すべきなのは、アパートが老朽化していたり、借り手が見つからずに空室が増えたりした場合です。これらの状況では、アパートの収入が減り、維持管理費用や固定資産税を賄うことが難しくなります。
空室率と入居者管理
アパートの収益性は空室率に大きく依存します。
入居者が減ってしまうと収益が下がり、アパートの維持が困難になることもあります。
また、入居者の管理も重要な課題で、問題が生じたときに適切に対応できる能力が求められます。
メンテナンスとリフォーム
アパートの状態を良好に保つためには定期的なメンテナンスとリフォームが必要です。
これらはコストを伴うだけでなく、適切な業者の選定や工事のスケジューリングなどの手間を必要とします。
法律や税金の理解
アパート経営には、法律や税制に関する理解も必要となります。
例えば、借地借家法、建築基準法、固定資産税、所得税など、さまざまな規定や法律を理解し、それに基づいた適切な管理を行う必要があります。
地域の不動産市場の動向
アパートの価値はその立地に大きく左右されます。
地域の人口動態、不動産市場の動向、近隣の開発計画など、幅広い視野で市場情報を把握することが重要です。
これらの点を考慮すると、アパートの相続は一筋縄ではいかない複雑な問題であることがわかります。
アパートの売却という選択肢
中には、アパートを売却したほうがメリットを受けられるケースもあります。
まず、アパートの売却は一時的な大きな収入を得ることができます。
特に、アパートが立地条件に優れ、需要の高い地域に位置している場合、高価で売却できる可能性があります。
また、アパートの運営には多くのリスクが伴います。
空室率の上昇、メンテナンスコストの増加、法律や税制の変更など、これらのリスクを完全に排除することは不可能です。
それに対し、売却することでこれらのリスクから一定の距離を置くことができます。
さらに、アパートの売却は、相続税や贈与税の問題を軽減するための有効な手段でもあります。
資産の一部を現金化することで、これらの税金を計画的に支払う余裕を持つことができます。
しかしながら売却する際にも、適切な価格設定、購入者の探し方、契約の手続きなど、これらを適切に行うことで、最大限の利益を得ることが可能になります。
そのため、信頼できる不動産業者と協力し、慎重に進めることがポイントです。
アパート売却の手続きとポイント
アパート売却の一般的な手順は以下の通りです。
不動産の査定
物件の状態、立地、市場動向などを考慮した上で不動産の販売価格を設定するための相場について理解します。
複数社に査定を依頼するのも良いでしょう。
不動産会社の選択
やりとりをしてみて、信頼できる担当者のいる会社を選びましょう。
専門的な知識があるかどうかはもちろん、数か月付き合っていく事を考えるとストレスの無いやり取りが出来る相手であることはとても大切です。
売却価格の設定
物件の評価を基に、適正な売却価格を設定します。
高すぎても低すぎても問題です。いつまでに販売したいか等の期間に合わせて金額設定をします。
販売活動
物件を売却するためには、適切な広告を行い、購入希望者を集めます。
基本的には不動産会社が行います。
契約
購入希望者との間で契約を結びます。
この際、重要事項説明をしっかり行うことが法律で義務付けられています。
決済
契約後、買主からの支払いを受けて物件の所有権を移転します。
売却は一見複雑に見えますが、適切な手順を踏むことでスムーズに進行します。
そして、売却によって得られる資金を使って、新たな投資や生活資金として活用することが可能となるでしょう。
ジモット では、札幌や札幌近郊の不動産の無料査定を行っています。
不動産の売却を検討したい場合は、まずは査定を行うことをおすすめします。
ちなみに ジモット では物件の買い取りにも力を入れております。
賃貸物件などの立ち退き交渉も得意としていますので、スムーズな売却にお困りの場合もまずはご相談ください。
売却を検討している方は、是非お気軽に査定をご依頼ください。